新年迎えて5のお題「皆さん、新年明けましておめでとうございます。 管理人の代わりに新年の挨拶をするよう承りました、FF2の主人公フリオニールです。 昨年からメインに追加され、多くの人に支持されているようで、とても嬉しいです。 そうですね…管理人の熱が冷めていないからなのですが、よく更新されていますね。 なんていうか、自分の色々な姿が晒される事に、対しては……とてもその、恥ずかしいです」 うん…ていうか、本当は見て欲しくはないんだけど……。 こればっかりは、俺達の力ではどうしようもないんだよな…。 諦めるしかないんだろう。 「オイ、若いの…まだ夜が明けておらんからといって、新年から暗い事を考えるでない」 「いや…そんな事言われても…って、猫!!」 何時の間にか自分の隣りにやって来ていた猫、その猫が人語を喋った。 「まったく、近頃の若者は猫が喋ったくらいで驚きおって…。 大体、ワシは元々は人間だったのだ、年長者は敬え」 「はぁ……いえ、あの…貴方は?」 「ワシは猫柳、このサイトの管理人がオリジナルでやっておる小説の主人公だぞ」 ガァ!と俺に向かってそう言う猫。 「はぁ…あの、その方が何故此方に?」 「何って新年の挨拶に決まっておろうが!今年の干支が分かっておるのか!!」 「干支って…今年の干支は寅ですけど…」 …っていうか何で、俺は猫に敬語を使ってるんだろう? 「虎は猫科だろう、ワシの仲間だ」 「いや…えっと、まあ…そうですね」 なんていうか、否定できなかった。 「ところでお主、今日はお主が主人公だが…この後の予定は分かっておろうな?」 「この後の予定?」 「これから、お主の争奪戦というものが始まるという事を、聞いておらんのか?」 「争奪戦……って、はぁ!?」 いや、いやいや…いやいやいやいやいや……。 初耳なんですけど。 「まぁ……頑張れよ、若人よ」 「えっ……ちょっとおじさん待って下さいよ、ねぇ」 「オジサンではない猫柳だ!大体、ワシはまだ37歳だぞ!!」 「37歳って…えっ、その話し方で!!」 「なんだ?ワシの貫録に驚いたか?しかし残念ながら、ワシはそろそろ失礼する。 飯の時間に遅れると、美味いじゃが芋が食えなくなるのだ」 えっと……猫なのに、芋を食べるのか? 「では頑張れよ」 「えっ…ねぇ、ちょっと待ってよ!!ねぇ!!」 ちょっと待って…俺、これからどうなるの!!? 1、あんはっぴーにゅーいやー 「まあ気にすんなや、大丈夫だって新年から何かやらかすくらい、管理人も馬鹿じゃないって」 俺の背中を力強く叩いた男を見上げて、溜息。 「……何で居るんですか?元親さん」 「何だよ、俺達にも新年の挨拶くらいさせろって!! 一応はアンタ達と同じ、メインジャンルなんだぜ」 そう言ってニッと笑う男の晴れやかな表情に、俺は少し安心する。 何だ…確かにそうかもしれないな……新年からそんな事しないよな? 「Hey元親!新年から元気そうじゃねえか」 「元親殿!!明けましておめでとうでござる!!」 挨拶をしに来た赤い着物と青い着物を来た青年の間に、火花が散った。 「政宗殿!ここで会ったが百年目!勝負でござる!!」 「Han、いいだろうやってやろうじゃねえか!!」 「こらこら、旦那も独眼竜の旦那も、正月から流血沙汰は不味いでしょ!!」 ひゅっと、どこからか現れた赤毛の青年が、そんな二人の間に仲裁に入る。 「…新年から、争い起きてますけど……」 「ああ、あの二人はいつもああだから大丈夫だ、それより俺はお前を初詣に連れてけって言われたんだよ!」 誰に?と俺が尋ねるよりも先に、元親さんは俺をひっぱって神社へと連れて行った。 朱色の門が美しい神社に連れてきてもらい、神の前で今年一年の平穏を願う。 「元親!!明けましておめでとう!!」 人混みの中、一際目立つ男が此方に手を振っている。 「よう慶次!おっ、家康も一緒か?」 「元親!新年明けましておめでとう」 青年の後ろから現れた、少し小柄な少年が此方に挨拶する。 「今日はお二人さんお揃いで、どうだい?今年の運を占ってみないかい?」 そう言って彼が差した先には、おみくじの文字。 「いいねえ、いちょやってみるか」 という事で、おみくじを引く事になったのだが……。 「貴様等、ここで何をしている?」 いや、貴方の方こそ、なんでそんな第二衣装の格好をしてそんな所に鎮座しておられるのでしょうか? 「何やってんだよ元就?」 「見て分からんか?我は今、神の仕事の手伝いをしている」 「神社のアルバイトか、大変だな」 「っな!決してバイトではない!!我はただ、初日の出を拝む為に鳥居の上に登りに来ただけだ」 「それを見つかって、罰として手伝わされてるんだってな」 慶次さんの一言で、手伝いをしていた彼の表情が強張る。 どうやら、本当の事のようだ。 「…クッ、日の出の時刻まであと一刻と半時、なんとか契機を見て登らねば…」 「それはいいからよ元就、おみくじ引きたいんだけど」 「ふん、仕方あるまい…これも仕事だ」 文句言いつつ、ちゃんとする事はするんですね……。 そして、おみくじで引き当てた俺の今年の運勢は……。 「……えーと…大凶?」 自分の引いたクジの一番上に書かれた文字は、どう見てもそれ以外の何物でもない。 「…これはまた、新年そうそうツイてないねぇ」 「っていうか、むしろこんな日から大凶引く、オメェのクジ運のがビックリだ」 「まぁまぁ、占いなんて当たるも八卦当たらぬも八卦なんだ、気にすんなって」 なんていうか、そんな風に慰められても、正月から惨めな気分になるだけだ…。 しかし、このクジの恋愛の項目に書かれていた内容が…どうしても気になるのだ。 恋愛:争いに気を付けよ 2、大凶を引くその強運 指令:攻めキャラの皆さんへ、今年の目標(という名の野望)を叫んで下さい by管理人 日の出を望む崖の上、集まった一同はそれぞれの想いを胸にその場に立つ。 それでは、1の方から順番にどうぞ。 「フリオニールを我が妻に迎える!!」 「今年もフリオニールと俺で幸せな学生生活を送る!!」 「我が妃に迎えそして(教育上宜しくないので自主規制) うぼぁあああああああああ!!(他攻めキャラによる制裁)」 「偶には俺との絡みも書け!!」 「今年は俺とアイツのシリーズ小説を始めろ!」 「今年こそ、想いを伝えたい……」 「絶対!絶対!!親父よりも、俺がフリオを幸せにする!!」 「馬鹿言え、バカ息子の数百倍、俺が幸せにしてやるよ!!」 「……で、これって何の意味があるんッスか?」 一通り叫び終わった後、自分達の呼ばれた意図に対して疑問を抱くティーダ。 「さぁな?俺達はココに集められ、自分の目標を語れと言われただけだ」 「でも、クラウドのは目標じゃなかったよな?」 「そう言うバッツも、完全に管理人へのダイレクトな要求ッスよね? っていうか、スコールは叫んでないッス」 (あんな恥ずかしい事、何でわざわざ叫ばないといけないんだ?) 頬を赤く染め、顔を背けているスコールの少し後ろでは、光の戦士と最愛の人の影が睨み合いを続けている。 「君は、今年も彼の元に付き纏うつもりなのか?」 「俺とアイツは相思相愛なの、っていうか管理人が気に入ってるんだからいいだろ? 最近出番が少ないからって、俺に嫉妬するなよ」 「嫉妬しているわけではない…大体、学パロの君達は兄弟だろう?」 「アンタ、兄貴の背中押したじゃんか!」 「それはそういう光の導きがあったからだ、それがなければ反対だ」 「オーイ皇帝、大丈夫か?」 「フン、私がこの程度でくたばるわけがなかろう…。 それよりも、ここで我々が叫んだ事がそのまま管理人の今年の目標だとすれば…どうだ?」 「どういう意味だよ?」 「我々が叫んだ事が、そのまま現実に奴が叶えさせる気かもしれんという事だ」 その言葉に、その場で全員が固まる。 「もし…その言葉が本当だったとしたら……」 「ここで、それだけ凄い内容の事を叫べば」 「アイツが叶えてくれる…って、事ッスか?」 攻めキャラ全員の目が、キラリと光る。 そして、崖の先端へと我先に向かい日の出前の海へ向けて大声で自分の欲望を叫んだ。 3、落ちきらなかった煩悩に 所変わって、崖の下の海岸にて……。 「君は相変わらず、皆に好かれているみたいですね」 「嬉しくないですミンウさん!!」 攻めキャラの叫びを聞きながら、隣で微笑む白魔導士にそう言う。 折角、正月という事で…故郷の仲間達と過ごそうと思っていたのに…俺の気分の休まる場所はないのか? っていうか、初日の出が昇るまで彼等は叫び続けるというのだろうか? 「ミンウさん……時間まで、まだ少しありますよね? 俺…ちょっと、日の出が昇る前に、あの残ってる煩悩を落としてきます」 「そうですか…では、私も力を貸しましょう」 そう言って立ち上がった彼の手には、究極魔法の本。 「貴方が居ると心強いです」 「いえ…しかし、レオンハルトがまだで良かったですね。 彼がこの場に居たら、更に事態がややこしくなる所でした」 そう言って微笑む相手に、俺は少し苦笑い。 確かに…あの義兄は、少し俺や妹に対して過保護過ぎる所がある。 今年こそ、義兄・妹離れできたらいいんだけど…。 「では、さっさと煩悩を片付けてきましょうか」 「はい」 えっ?正月から流血沙汰は不味いって? 大丈夫。 破魔矢って、煩悩を断つ矢の事だから……。 その後、海岸に絶叫が木霊した。 4、「ちょっと破魔矢(武器)取って来る」 なんだかんだあったが……正月の挨拶もなんとか終った。 今日一日で色んな人に会ったな…忙しい一日だった。 まさか、あんなにも異文化(他ジャンル)交流する事になるとは思ってもなかったけど…。 まあ管理人の代わりの挨拶なわけだし、これくらいしないといけないのかな? でも、故郷の皆も元気そうだったし……それは良かったかな。 さてと…今年一年は、平穏無事に過ごせればいいけど…。 そう思って就寝しようとした俺の部屋の襖が、スターンと勢いよく開けられる。 そしてその入り口に立ち、俺を見返す相手に…身震い。 えーと……これって、そういう流れですか? 正月だからって純和風な宿に宿泊させられているのって、この為だったんですか? 最初からこの為だったんですね? 最後にこれだけ言わせて下さい。 俺は今年も、こんな役割なんですね? もう……俺、泣いていいですか? (それはもう、存分に…鳴いて下さい) 5、姫様、始めて宜しいでしょうか? お題提供元 蝶の籠 後書き 一月の拍手御礼でした、ちょっと……何て言うか…ギャグに走りまくった一品。 新年という事で、全ジャンルごちゃまぜで出してみた、オリキャラの猫柳とのコラボを書きたかったんです。 最後、フリオの部屋に現れたのが誰なのか…それは皆様のご想像にお任せします、お好きな旦那に頂かれましたという事で。 二月は、もうちょっと真面目なものを置いておこうかと思います。 BACK |