星に願いを…「綺麗ね」 少女が見上げた先には、綺麗な星空。 立ち止まって、僕も彼女を真似て仰ぎ見る。 「本当だね」 雲の無い夜空には、綺麗な星の川。 その川を眺めていると、昔聞いた伝説を思い出した。 「こんなお話し知ってる?」 彼女にそう問いかけて、僕は蘇ってきた記憶の伝説を掻い摘んで彼女に教えてあげる。 星は願いを叶えてくれる、そういう言い伝えがよく残ってる。 流れ星だけじゃない、昔の人は夜空を見上げて様々な星に願いをかけた。 今日の僕達の上に輝く星は、そんな伝説の一つなんだ。 「どうしてお願いを叶えてくれるの?」 話終わった僕に、彼女はそう尋ねた。 「えっ…どうして、って言われても……」 そういうお話なんだよ、っと僕は彼女にそう曖昧に返答することしかできない。 どうして星は人の願いを叶えてくれるのか? それは、古代の人々が天体を神様の化身のように思っていたからで、人の手に負えない自然の中でも、特に人の手が届かないものだったから。 だから、そういうモノに願いを掛ければ、その巨大な力を持って叶えてくれると…そう信じられていたのだろう。 だけど…本当にそれだけだろうか? それだけでは、星が願いを聞き届けてくれる理由にはならないのではないだろうか? 「きっと、皆に幸せになって欲しいからだと思うの…」 「えっ…」 「願い事を叶えてくれる理由」 彼女は僕の導き出せなかった理由を、そう説明した。 皆に幸せになってほしいから、願いを叶えてくれる、か……。 「ティナは、凄く優しいんだね」 「ううん、優しいのは私じゃないよ」 彼女は僕の言葉に、笑って首を横に降る。 じゃあ、彼女の言う“優しい人”とは、一体誰なんだろう? 空に輝く星なのか、それとも…もっと身近な仲間なのだろうか? もし…それが僕等の身近な人間だとするなら、それって一体誰なんだろう? 彼女に輝く目で見られる、誰かが…なんだか、酷く…酷く羨ましい。 「ねえ、お願いしよう?」 彼女は振り返って僕を見る。 優しく微笑む彼女…その笑顔にほっと胸を撫で下ろす。 君が笑ってくれるなら、僕はそれでいいんだよ。 「願い事は、秘密だからね」 もしも…願いが叶うなら…。 後書き 星に願いを…第八弾、オニオンナイト編。 フリオ総受け、と言っておきながら…今回フリオはオニオンナイトの嫉妬の対象でした、しかも軽くしか出てきてない……。 彼とティナは、もうオフィシャル公認だと思ってます。 可愛いじゃないですかオニティナ!DFFでノーマルCPは絶対オニティナが一番ですよ!! あと残り2話で完結です…そして七夕当日まで残り二日…頑張れば間に合いますね。 次回は遂に問題の人物、フリオニール編です。 2009/7/5 BACK |