新年、明けましておめでとう
今年も、愛してるよ

今年も一年、愛します!!

「3・2・1…ハッピーニューイヤー!!」
年越しのカウントダウンをしているテレビの前で、ゼロになった瞬間にワ—と盛り上がる声を聞きつつ、隣に座る兄貴の唇を塞ぐ。
ビックリして体を強張らせる兄貴を、しっかりと抱きしめて口付ける。


「明けましておめでと、兄貴」
「……お前なぁ…」
「ほらほら、兄貴も挨拶してよ…ね?」
そうやってお願いすれば、頬を染めた兄貴が「明けましておめでとう…」と俺に言ってくれる。
やっぱり兄貴は、今年も可愛いな。

「今年も兄貴の事愛してるからね」
兄貴の方へ体重をかけて、座っていたソファに兄貴を押し付ける。
「なぁ……なんか、嫌な予感がするんだけど…」
俺の下になった兄貴が、俺を上目遣いで見つめてそう言う。
「何が?」
「何がって、俺のシャツのボタン外していってるこの手は何だ?」
「ん、今年も兄貴への愛情を沢山注いであげようと思ってさ」
ニッコリと兄貴へ笑いかけると、兄貴の表情が完全に凍りつく。


そんな怖がらないでよ、スッゴク気持ちヨクしてあげるからさ。


「じゃあ…お姫様、始めよっか」
「なっ!駄目だ…って、んん!!」
抵抗する兄貴の唇を再び塞ぎ、喋りかけていた兄貴の咥内へ舌を滑り込ませる。
歯列をなぞり、逃げ惑う兄貴の舌を絡め取る。

チュッと音を立てて離れ見れば、兄貴の頬が薄らと赤く染まる。
そんな兄貴に微笑み、シャツのボタンを全部外して素肌に直に触れる。
「あっ…お前、止めろ!こんな所で!!」
解放され、少し赤くなった兄貴の目が俺を睨みつけるものの、怖くはない。
「こんな所って、自分の家でしょ?別に外じゃないんだし、平気だって…ほらほら」
グリグリと兄貴の胸の飾りを指の腹で弄ってやると、ビクッと体を震わせ口からは「っあ!…ふぁ」なんて、可愛らしい鳴き声。
色づいた可愛らしい兄貴の胸の飾りを咥え、チュウッと吸い上げ、舌先で弄るとビクビクと震える兄貴の体は、素直に気持ちイイと俺に伝えている。
片手を脇に置いてあったリモコンに伸ばし、テレビの電源を消してしまえば、シンと静まり返った室内には兄貴の声と、兄貴を攻める水音だけが響く。


「兄貴ってさ、なんかセックスする度に、エロくなっていってるよね」
「はぁ?…ん、お前…何言って」
「だって、本当の事だもん」
そう言ってから、乳首に軽く歯を立てると「あぁん」なんて可愛い声が上がる。
「ほら、何か前より感じ易くなってない?」
口を離し、首筋を舐め上げてそこに赤い跡を残しつつ、そう呟くと兄貴は「違う!」すぐさま否定する。

「嘘だ、こんなに兄貴の心臓ドキドキいってるのに」
ペタリと兄貴の心臓の上に手を置くと、暖かい兄貴の肌がドクドクと早鐘を打っている。
「ココだってさ、反応してるみたいだけど?」
「ひゃぁ!!」
服の上から、兄貴のモノに触れればそこは既に反応し始めている。
ほら、兄貴だって期待してるんでしょ?

「違うんだ?じゃあ、ここ弄っても何も感じないよね?」
兄貴の下着の中に直接手を入れて、手で扱う。
「えっ?…イヤだ、何!!……あっ!シャドウ、止めろよ、ヤダ…やぁん、っぅあ……」
「感じないんでしょ?なら、いいじゃん、平気でしょ?…それとも、気持ちイイの?……イイんだ?ここも濡れてきてるし」
「そんな事、言うなぁあ!!」
グチグチと水音を立てて、段々と質量の増してくる兄貴自身を扱う手を更に早めつつそう言うと、恥ずかしそうに兄貴が叫ぶ。
でも、本当の事だから“違う”とは否定できない。


「ほらほら兄貴見てよ、兄貴の可愛いココから蜜が零れおちてきてるよ」
耳元でそう呟くと、涙を溜めて首を振る兄貴。
「イヤァ…言うなって、恥ずかし……」
憂いを含んだ兄貴の震える声が、そう告げる。
感じてるの、認めたくないんだ…もう、恥ずかしいなんて言っちゃってさ。

「恥ずかしくっても本当だし……」
「っ……お前、もう止めろヤッ…あっ!嫌だっ…て、シャドウ見るな!!」
「もう、兄貴ってば酷いな…ここは凄く気持ちヨさそうなのにさ」
「ふぁっ!あ、ああっ!!」
グリグリと兄貴の亀頭を刺激してやると、張りつめていた兄貴の雄が欲望を吐き出す。

「嫌だって言ってるわりには、いーっぱい出たね」
俺の手に絡まる兄貴の白濁を舐めると、涙の溜まった目で兄貴が俺を睨む。
「何、兄貴?どうかした?」
「どうかしたじゃないだろ!居間のソファでこんな事して!!」
吐き出した欲で汚れた自分の体や俺の手を見て、兄貴は叫ぶ。
「いいじゃん別に、偶にはこういう風にちょっと違う所でシタってさ」
「いいわけないだろ!!折角…掃除したのに、汚れたら」

何だよ、俺との愛の営みよりも部屋が汚れる事の方が気になるワケ?


「分かった、お姫様はベッドの上がいいわけだね?」
「はぁ!?何…っていうか、俺はお姫様じゃない!!」
「我儘で意地っ張りなお姫様は、俺のベッドで可愛がられたいと…そういう事でしょ?なら…移動するよ兄貴」
ぺロリと兄貴の涙を舐め取って、額にキスをして兄貴を抱き抱える。


既に俺への抵抗を無駄なものと考えたのか、それとも俺の言動に呆れたのか、またはその両方からなのか…素直に俺に体を預ける兄貴は、どこか可愛らしい。
そんな素直な兄貴を優しくベッドに横たえて、着ていた服を脱ぐ。

「さてと、お待たせ兄貴」
「誰も待ってない」
俺の台詞に、呆れたような兄貴の声。
「もう、意地っ張りなんだから」
そんな兄貴に微笑みかけ、兄貴の可愛い口へ自分の指を入れる。

「しっかり濡らしてね兄貴」
口の中で兄貴の舌をつつっと触ると、ビクッと震えるものの、兄貴の舌が俺の指へ絡んでくる。
ピチャピチャと兄貴の口から湿った音が立つ。
「ん、んん……」
「ほらほら、もっと舐めてよ」
「んっ、ふぁ!」
指の間で兄貴の舌を挟み込めば、苦しそうにえずく兄貴。
兄貴の暖かい舌の感触か心地よく、嬉しくなって微笑めば、相手の怒りを買ったのか俺の指へ歯が立てられる。

「んっ……もう、兄貴ってば…そんなに欲しがらなくったって、今あげるから」
「ふぇっ、んぁ」
兄貴の口から濡れた指を引き抜き、そのまま後ろの蕾へと挿入する。
一気に二本を入れればビックリしたように強張る相手の体、キュウッという締め付けに俺は更に笑みを深める。
「アハ、俺の指食い千切りそうだよ…ほら」
「くっ…あ」
指を出し入れし、蕾をゆっくりと解きほぐしていく。
兄貴の感じ易い場所へ触れると、その瞬間に走る快楽に必死で耐える兄貴の、眉を歪めた表情が扇情的で綺麗だ。


そろそろ、兄貴が…欲しいな。


そう思ったら最後、今すぐにでも欲しくなってきて、兄貴の蕾から指を引き抜くとそこへ今度は俺のモノを宛がう。
俺の熱に怯えて逃げようとする兄貴の腰を捕らえ、そこへグッと俺のモノを挿入する。
「ヤッ!!っぁあ、んっ!!」
最奥まで一気に貫かれ、悲鳴を上げる兄貴を落ち着けるように唇へ優しくキスを落とす。

「兄貴、大丈夫?」
そう尋ねれば、苦しそうに息を吐いて俺を見返す。
「だ、いじょ…ぶ、なわけないだろ!!もっと…ゆっくり」
「無理、俺もう我慢できない」
「えっ…なっ!ちょっと待って、ねぇ…ちょっとシャド、ウ……」
静止の声を聞かずに、早速律動を始めるとその衝撃に付いていけずに兄貴が俺の背中へと手を回す。
ギュッとしっかり俺の背中にしがみ付く兄貴。

「可愛いよ、フリオニール」
「ぁっ……ね、しゃ、どう…」
恥ずかしそうに頬を染めた兄貴が、舌足らずな声で俺の名前を呼ぶ。

「ん、何?もう一回」
兄貴が何かを続けようとしたのは分かったけれど、それ以降の言葉が届かずに聞き返す。
「あっ…俺、の名前……もう一回」
「ん、分かったよフリオニール」
そうやって呼びかけると、嬉しそうに兄貴が笑う。


初めての時からそうだ、兄貴は最中に名前を呼ばれると悦ぶ。
荒い息を吐いて、「もう一度」と言う兄貴。
それを聞いて、俺はもう一度最愛の人の名前を呼ぶ。

何度も何度も名前を呼んで、抱きしめて、微笑みかけて。

揺さぶる律動に、荒い息。
自分の中で高ぶる、欲望。


相手の熱を、もっともっと感じたい。
俺の事も、感じて欲しい。


「ねえ、フリオニール…ナカでイッていい?」
限界が近い事を感じ、耳元へ唇を寄せてそう尋ねる。
「ぅ…ん、も……お前の、好きにしろよぉ!!」
赤くなった兄貴の叫びに嬉しくなった俺は、額へキスを落とし「じゃ、好きにさせてもらうよ」と宣言。
それと同時に、突き上げる速度を速める。
「ひっ!!んあ、ああ!!」
苦しそうに俺にしがみ付く兄貴の腕が、ピリッと俺の背中を引っ掻いたのを感じ、微笑みかける。
「もっと俺にしがみ付いて、爪立てて、俺の事引っ掻いてよ」
兄貴の耳元でそう呟くと、俺にしがみ付く兄貴の手の力が更に強くなる。


いいよ、もっと俺の側へ来て、俺の事求めて…。


「あっ!ぅあっ!!もう駄目」
切なく歪められる兄貴が、俺のモノを強く締め付ける。
「っく……ん」
ギュウッと締めつける熱い兄貴のナカへ、俺の欲望を解き放つと、その熱を感じた兄貴の体が大きく震え、達する。


「はっ!はぁ……はぁ…ん、ぅ…ふ……」
解放後の倦怠感からか、ベッドの上に力なく横になる兄貴をギュウッと両腕で抱きしめる。
「フリオニール…今年も、愛してるからね」
今年だけじゃなく、来年も再来年もずっと愛し続けます。
そんな誓いを込めて、キスすると甘んじてそれを受け入れる兄貴。

「ねぇ、兄貴はどう?」
キスし終って、まだほとんど触れそうな位置でそう尋ねると、「はぁ…」と小さく一度呼吸すると、「何で、今更そんな事言わなくちゃいけないんだよ?」と頬を染めて視線を逸らす。
「ちょっ!兄貴!!兄貴が俺に告白してくれないと、俺の一年間凄く不安になるんだけど…」
「どんな不安だよ……」
「お願いだって、この一年の俺の幸せかかってるんだからさ!!」
「はぁ…お前の一年の幸せかかる程、俺の告白は重要じゃないだろ」
溜息交じりにそう言う兄貴に、俺は首を横に振る。

「全然安くないよ、兄貴の告白には凄い力があるんだから」
「なんだよ、その凄い力って」
「兄貴の愛は俺の活力源なんです!お願いだから年の初めからそれを削ぐような真似しないでよ!!」
必死になってそう懇願すれば、呆れたような溜息一つ、頬を染めた兄貴が俺を見つめ返す。
「まったく……俺は、いつだってお前の事が好きだ、っよ…」
言葉の途中でビックリしたように兄貴の目が見開く。


「……シャドウ」
告白の甘い声とは違う、どこか怒りを帯びた声色。
「なーに、兄貴?」
ニヤリと口角を上げてそう尋ね返せば、兄貴は俺を睨み返す。

「なんか…俺のナカに何故かまだ居るお前が、元気になった気がするんだけど……?」
そんな事、当たり前でしょ。
「だから言ったじゃん、兄貴の愛は俺の活力源だって。
…という事で、俺の事をいつも愛してくれる兄貴に、俺からの愛情をまた注いであげようと思います」
「そんなモノいらな、っあ!ヤメ、ヤダ…ちょっ!シャドウ!!」
急いで俺から逃げようとする兄貴の腰を捕まえて、再び開始される律動に抗おうとする兄貴は、しかし、キュッとナカの俺のモノを確かに締めつけてきて。

やっぱり俺って愛されてる?……とか、思ってしまうわけなんです。


「来年までに、もっと素直なお姫様になろうね?」
「誰がなるか!!」

あとがき

なにがしT様からのリクエスト、アナザー×ノーマルフリオ現代パロでアツーイ姫始めを…との事でしたが…。
見事に正月・三箇日過ぎました…エロになると執筆スピードが遅くなります。
そして…がっつりエロだけです、ラブラブな感じでと言われたのに、アナザーからの愛情が物凄く過多なので、お兄ちゃんが本当に愛しているのか分かり難いです。
ノマフリもアナフリの事が好きなんですよ!!ただ恥ずかしくて、それを上手く行動に表せないだけなんです!!(言い訳)
…すみません、こんなものでどうでしょう?
2009/1/4

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