類は友を呼ぶ?「いや、アイツと一緒にしないでくれ!!」

それは、ある人物の一言から始まった。
「君と僕は志を同じくした、同士だよね?」

瞬間、俺の中に込み上げてくる様々な疑問。


一対一の状況で、敵の口からこんな台詞を語られれば、どんな人間だってちょっとビックリするだけでは済まないだろう?
っていうか、お前とまともに話をしたことあんまり記憶にないんだけど、っていうかあったっけ?

もう……一体、何なんだ?
とりあえず、聞きたくもないけれど聞いてみない事には始まらない。


「俺とお前の、どこか同士なんだ?」


様々な疑問を胸に抱きつつ、カオス陣営一、卑猥な男にそう尋ねた。


Birds of afrether flock together?
Don't class me with that fellowe!!


「卑猥って、随分と失礼な言われようだね」
ふっと自分の髪をかきあげて、卑猥な男、もといクジャはそう言う。

「まったく、皆僕の美的感覚を理解してくれないんだ…たかだか、パンツくらいで卑猥卑猥って。卑猥だと思うからそんな風に見えるだけなのさ、それは感性が酷く乏しい、とても可哀想な事だと僕は思うね」
ごめんなさい、俺も残念ながらそんなに神がかった美的センスの持ち主ではないので、貴方の美的感覚は理解できそうにありません。
「だけど、君は別だ」
そう言ってビシッと俺を指さす男に、俺はどう動いていいのか分からない。

理解できそうにないって、そう言った直後なんですけれど!!!!

「あの……なんで俺?」
「フフフ何を言ってるんだい?照れなくてもいいんだよ?

君は、そんなに立派にパンツを履きこなしているじゃないか!!」

それはもう喜々とした表情で彼は俺に向かってそう言う。

主に、俺の股間に向かって。

…………そうやって、同属意識を持たれても困る。
っていうか、もの凄い勘違いだ!!

「いや、あのこれパンツってわけじゃ……」
「君を一目見た時から僕は感じていたんだ、僕と似たそれは素晴らしい感性をね!」
「いや、全然かけらも俺とお前の感性なんて似てないから!!」
そうやって否定するも、彼は「照れる事はないだろう?」と全く俺の意見を聞き入れてくれない。
それ以前に、これはパンツじゃないって、そう言いたいんだけど。


「まあ、君が初心な照れ屋である事は承知済みだよ、ついでに童貞で処女だって事もね」
「いや、後半のは承知してなくていいから!!」
「そういう照れ屋な部分を克服させるべく、君を目覚めさせる為に僕は今日やって来たんだよ」
「あの……目覚めさせるって、一体何を?」
喜々としてそう語る男の目に、何か不穏なものを感じ取り、俺は後ろへと後退する。


嗚呼、物凄く嫌な予感がする。
っていうか、嫌な予感しかしない!!


「君がまだ童貞を卒業できないのは、全て君のその恥じらいが邪魔をしているからなんだ」
「余計なお世話だ!!!!」
クジャの台詞に思いっきりツッコミを入れているものの、相手は自分の言葉に寄っているのか、全く俺の言葉を聞いていない。
そうか、忘れてた…コイツ完全なナルシストだった。
自分大好きだから、基本自分の話しか興味ないんだ!!

「さあ、今こそ恥じらいを捨て、本当の自分を解き放つ時さ!!」
いや、そんな芝居がかった口調で大仰に言われても困るんだけど。
っていうか……。
「解き放つって、何を?」
そう、それが問題だ。


「フフン、そんなの決まっているじゃないか。

君のそのパンツを履いている足に決まってるだろ」


…………えーと。


「まさかとは思うけど、ズボンを、脱げと?」
「その通りだよ」

いや、その通りだよって…ねえ、何!!
そこ肯定するの!否定してよ!ねえ!!ねえ!!

「自分自身を解き放つんだ!そして、新たな扉を開くといい」

「いいいぃぃぃやああああぁぁぁぁぁぁぁ!!」


「何をしているか、この変態が」
そんな俺の叫びを聞きつけて、ふいに背後から男の声と共に腕が伸びてきて、瞬時に俺は相手の腕の中に収まった。
「こっ……皇帝!!」
「何を驚いている?」
そりゃ驚きますよ、だって何で貴方が俺を助けてくれるっていうんです?
「フン、惚れた相手の危機に駈けつけずに一体どうする?」
そんな俺の疑問に、相手はフッと笑ってそう答える。

ヤバい、結構カッコいい。
……でも。

「そう言いながら、人の尻撫でるな!!」
「グフッ!!」
俺の拳が見事に相手の顎に入り、無様な声を上げて皇帝が飛ぶ。
「無様だねぇ…」
本当にな。

「そんな呑気な事を言っていられる場合か?」
「見た目通りの変態だなんて知らなかったッス」
「永遠の眠りにつけ」
ジャキンと自分の獲物をクジャに向けるコスモスの戦士(三人)に俺は少し安堵した。
「っていうか、皆どこから来たんだ?」
「フリオの悲鳴を聞いて駆けつけたッス」
笑顔で答えるティーダに、俺は少し安堵の息を吐く。

助かった、のか?

「それで、お前は何故“私”のフリオニールを剥こうとしたのだ?」
「ウォーリア、フリオはアンタのものじゃないッス」
「言っておくがティーダ、お前のモノでもないぞ」
バチバチと火花を散らす三人組に対し、クジャは「付き合ってられないねぇ」と溜息を洩らす。

「心配しなくても、僕は君達のような男色の趣味なんてないよ。ただ、僕が思うに彼はもう少し足を出した方が美しい、恥ずかしいというのなら、一度試させてみたかった、ただそれだけだよ。性的な興奮なんて皆無だね」
三人に向けてそう言うクジャの言葉に、三人は目を向ける。
「本当だろうな?」
「本当だよ。大体、君たちはそれで満足しているのかい?彼のあのパンツの履きこなし方は、まだまだ発展途上。バトルの最中のパンチラなんて狙って、自分の中で幸せに浸っているわけじゃないだろうね?」
そんな男の質問に、三人の肩がビクリと震える。

え……まさか、とは思うけど…図星?

「フッ…それの何が悪いとうのだ?」
「分かってないね、生足の魅力というものを!」
「完全に見せる事に、一体何の意味があるんッスか!」
「いや……フリオニールの衣服で生足になった時、露わになった太ももは確かに綺麗だろうな」
「そこの兵士君はよく分かっているみたいだね、絶対領域というものを!」

あの……もう、完全に論点がズレてると思うんですけど、ねえ。
俺、当事者だったのに完全に蚊帳の外だし。


「馬鹿じゃねえの?」
「シャドウ……」
ふいに、俺の隣りにやって来たもう一人の自分の姿を見て、驚く。
どうしてここに?と尋ねたら、「いや、叫び声が聞こえたから」とあの三人と同じ事を言う。

「こんな所でボーとしてないでさ、アイツ等が気付く前にさっさと退散しようぜ」
「あっ、うん」
そう答えた俺の手を取ると、素早くこの場から走り出すシャドウ。


「……なあ、俺の生足ってさ…そんなに魅力あるか?」
熱く語り続けている集団を見て溜息。
まったく、男の足に何の魅力があるっていうんだか……?

「まあね、アンタの足かなりエロいと思うよ。俺の前だけなら、生足の姿見てみたいかな」
意気揚々とそう語る相手に、俺は気疲れの溜息。

「お前も、アイツ等と一緒か…」
「アイツ等と一緒にしないでくれ!!」
そんな俺の諦めにも似た呟きに、相手は強い声でそう話す。

いや、まだ多少まともではあるけれど、お前だって同類だ!!

あとがき

ある時、フリオのパンチラを眺めていて…そういえば、フリオってよくよく考えると足がかなりセクシーな事になってるよねって、思ったんです。
そして、パンツという共通点を発見してしまった為に、クジャに同族意識持たれているといいなという妄想が派生しました。
あの子が更に生足になったら、コスモス陣が血(鼻血)の海になるでしょうね。

最後はアナザーに締めてもらいました、どうしてだろう?最近アナザー×ノーマルが本当に大好き。
今回のアナザーは性格が学パロの方です、元よりも学パロの性格をデフォにしたくなってきて、最近どうしようかと本当に思ってます。
2009/12/5

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