草原に寝転ぶと、大地の暖かさを感じる
自然の中に包まれている、そんなかんじ
そんな、安心感
アンタという存在が、オレに与えてくれるもの…
大地のような貴方
「後で落ち会おう」そう約束して、オレは彼と別れた。
自分の選んだ道を、ひた走る。
少し敵を倒すのに手間取ってしまった、でも大丈夫、怪我はしてない。
っていうか負けられない、誰にも。
でも少し時間が掛かってしまったので、きっともう相手は先に着いているだろう。
遅くなって怒るような、そんな性格はしてないけど…遅くなればなる程、心配してるかもしれない。
不安そうな彼の表情も見てみたいけど、それはまたの機会にしよう…。
……って、何時も思ってるけど、結局自分は遅れないように、遅くならないように…って、相手の待つ場所まで全速力で走ってしまうのだ。
だって、早く会いたいんだ!
待ち合わせ場所まであと少し、遠くからでも彼の姿がよく分かる。
だって、悔しいけど…オレよりも背が高いし、服装も結構目立つし…。
彼の待つ場所まであと少し、彼はオレに背中を向けてるから、オレの存在にはまだ気付いてないみたいだ。
休んでいる為なのか、何時も背負っている彼の武器は下に下ろされ、後ろで結われた長い髪と青いマントだけが彼の背中で風に揺れている。
そんな光景を見て、オレの心の中に悪戯したい欲望が生まれない、わけがない。
息を殺し、気配を消して…そっと相手の背後へと近付く。
そっと、でも素早く…。
あと少し、もう少し…。
「のぉばらぁー!!」
「えっ!?ちょっ!!ティーダ、危な…」
そんな相手の台詞なんて無視して、走ってきたオレは、オレの声に気付き振り返った相手に抱きつく。
勢いを付けて飛びついた所為で、少し前へとよろめいた…どころか、体勢を整えきれず、そのまま地面へと二人揃って崩れ落ちた。
「のばら、寂しかったッスか?」
地面に倒れた相手の上に伸し掛かったまま、オレは彼にそう尋ねる。
「イテテテ…まったく、危ないだろう?ティーダ……」
呆れたように小さく溜息を吐いてそう言うフリオニール。
一歳しか年が違わないはずなのに、彼はオレよりもずっと大人っぽく感じる。
それが遠くに感じるどころか、むしろスッゴク魅力的で…。
そんな彼が、オレは大好きなんだ。
「だって、フリオに早く会いたかったんッスもん」
「それは分かったから…早く上から退いてくれ」
重いだろう、と言う相手に対し…残念ながら、オレはその申し出を断るしかない。
「それは無理ッス」
笑顔で返答、しかも元気よく。
「……何でだよ?」
そんなオレに、彼は疲れたようにそう返答する。
だって、だって考えてみてほしい、こんなチャンスなんて滅多にない。
周囲にはオレ達以外誰も居ない。
不慮の事故とはいえ、好きな相手を押し倒してしまったんだから。
「どうするんだよ?こんな所誰かに見られたら」
押し倒したオレの下から、ちょっとオレを睨みつけながらフリオはそう言う。
でもね、フリオ…睨まれたって全然怖くなんて無いんッスよ……だって、その頬がスッゴク真っ赤に染まってるんだもん。
怖いどころか、スッゴク可愛い。
「いいじゃないッスか、いい加減オレと付き合ってるの、皆に教えたって」
「なっ…そっ!そそそ、そんなっ!!恥ずかしいだろ?」
何が恥ずかしいんだろう?だって、本当の事なのに。
でも、こういうちょっと初心な所がまた可愛い。
大人っぽさと子供っぽさ。
その両方を持ってる、アンバランスさが魅力的な恋人。
まあ、オレの方が彼よりも子供だし、彼はそういうオレをしかっりと受け入れてくれている。
優しく暖かい包容力のある、大好きな恋人。
「ねえ、フリオ…キスしていいッスか?」
「えっ…なっ、なんでいきなり」
「キスしていいなら、ここから退いてあげる」
ねえ、だからいい?と彼に問いかけると、彼は頬を染めたままオレから目を逸らして、グルグルと自分の中で自問しだす。
「ねえ、フリオニール…キスしていい?」
そっと声を低めて、彼の名を呼べば、逃げられないと踏んだのか、彼はちょっと不安そうな目をしたままオレを見て頷いた。
了承を貰って、内心でガッツポーズ。
「じゃあ、イタダキマス」
そっと彼の柔らかい唇に自分のものを合わせる。
ビクッと緊張で身を固くする彼に、ちょっと苦笑い。
慣れないなぁ…なんて思うけど、オレもそんなに人の事言えた口じゃないので、可愛いなぁ…くらいに留めておく。
触れるだけ、でも長い間合わせていた唇を、チュッと可愛い音を立てて離す。
「ゴチソウ様でした」
満足感からニッコリと笑ってそう言うと、相手は真っ赤になって「何言ってるんだよ!」と叫ぶ。
「ティーダ、早く退いてくれ!!」
「はいはい」
仕方ないが、確かに退くと約束したので、彼の上から退く。
すると安心したように、起き上がると、服についた埃を払い落とす。
「フリオ、怒ったッスか?」
ちょっとビクビクしながらそう問いかけると、彼はオレを見て「別に、起こったわけじゃ…」と、もごもごと言う。
それを聞いて、ちょっと安心。
そして、やっぱり彼は凄く優しいんだな、と思う。
それがオレに対する愛情なのかな、と思うと…なんだか嬉しくて、胸の内が温かくなってきて…。
やっぱり、オレは彼が好きなんだな…と感じる。
「フリオ、大好きッスよ!!」
「知ってるよ…」
そうやってオレから注がれる愛情を、疎ましく思う事なく受け入れてくれる貴方。
広大な大地のように優しい貴方を、オレはスッゴク愛してます。
あとがき
先日、机の上を片付けてる最中に、書きかけの小説の下書きが大量に発掘されました。
その一つの、ティフリ甘々小説を完成させてみました。
ティーダが猛攻なのは何時もの事、フリオは呆れつつも結局許しちゃう…っていうのを書こうとしてたんだと思います。
その趣旨からズレてないのか、自分ではあまり自信がありません。
ティフリいいですね、可愛いですよねこの二人。
またラブラブな話書きたいです。
2009/7/5
先日、机の上を片付けてる最中に、書きかけの小説の下書きが大量に発掘されました。
その一つの、ティフリ甘々小説を完成させてみました。
ティーダが猛攻なのは何時もの事、フリオは呆れつつも結局許しちゃう…っていうのを書こうとしてたんだと思います。
その趣旨からズレてないのか、自分ではあまり自信がありません。
ティフリいいですね、可愛いですよねこの二人。
またラブラブな話書きたいです。
2009/7/5