年齢確認
20歳以上ですか?

 いいえ

明るい月が照らす夜は暗くはなく、青い色で輝いている。
その所為だろうか?
暗闇の中に沈むはずの二人の体が、未だに視界に捉える事ができるのは。


初心な心と情欲と…

二人で使う天幕の中、押し倒された俺が見上げる、恋人の整った顔立ち。
普段は冷静さに満ち、決して何にも動じないその瞳に、今は普段は隠された情欲の火が灯っている。

「君は、もしかして待っていたのか?私が、こうやって君に触れるのを」
ウォーリアの手が、俺の頬に触れる。
そっと滑る指先が、ゆっくりと俺の唇の輪郭を撫でていく。
「だとしたら、気付かなくてすまなかった」
「別に、謝ることじゃないと思うんだけど」
正直、そんな事で謝られたくなかった。
そんな俺を見下ろしながら、フッと笑みを深めると、ウォーリアはゆっくりと俺にキスした。

舌と舌を絡めあう濃厚なキスに、段々と思考が鈍くなる。
そんな俺のシャツのボタンに、ウォーリアの手が伸び、一つ一つ器用に外されていく。

「!…ちょっ、ウォーリア何して?」
相手との口付けから逃れてそう尋ねると、ウォーリアは平然とした顔で「君の服を脱がしてる」と、自分の行動を簡潔に述べた。
「こっ…これくらい、自分で脱ぐ」
赤くなりながらそう言って、自分の服のボタンに手を掛けるも「駄目だ」とやんわり却下され、服のボタンに掛かった俺の手を取り払った。

「さっき君は言ったな?私の好きにしていい、と。
なら、好きにさせてくれ」
そう言われて、二の句が告げない俺にウォーリアは意地悪く笑い掛けると、俺のシャツの残りのボタンを全て外し、前を開ける。

首筋に舌を這わせ、時々強く吸い付いて赤い跡を残していく。
「あんまり、目立つところには…止めてくれよ」
「分かってる、君が恥ずかしがり屋なことくらいは」
「そうじゃ…なくて……」
見つかった時になんて言い訳したらいいのか、分からないからだ。
でもそう返答してもウォーリアは、「本当の事を言えばいい」なんて言うに決まってる。

「君は、いい肌をしているな?」
「っ…そう、かな?」
細かい傷の多い俺の肌は、お世辞にも綺麗だとは言い難い。
そんな俺の胸の上をウォーリアの手が撫でていく感覚に、一瞬大きく震える。
「ああ、君の髪の色にも良く映えていて、綺麗だ」
耳元で囁くウォーリアの声に、色っぽさを感じながら熱に震える俺。

「ふぁっ!」
胸を滑っていたウォーリアの手が、急に芯を持ち始めていた飾りへと触れる。
「感度もいいな」
ぐりぐりと飾りを指で捏ねながら、どこか嬉しそうな声でそう言うウォーリア。
そう囁くウォーリアの顔が離れたと思ったら、胸の飾りをペロリと舐められる。
「ぅあぁ」
反応の良さに気をよくしたのか、そのまま飾りへと吸い付く。
軽く吸い上げられ、舌で転がされて、男なのにこんなところで感じてしまうなんて…と思いつつ、感じてしまう。
艶のある自分の甲高い声に、自分でも嫌気が差す。
だが、声を抑えようとする俺の手をウォーリアはと外した。

「君の声が聞きたい」
「ヤダって、こんな声」
「そうかな?凄くいい声だ」
そう言って笑うウォーリアは、俺の熱を高めていく。

「ここも、すっかり良いようだ」
そう言って、ズボンの上から俺の欲望に触れるウォーリア。
「あっ……ャ」
僅かな接触にも敏感に感じてしまう自分の体が、酷く恨めしく思う。
そんな俺のズボンに手を掛けると、下着ごと下へと下ろされる。

「こんなに蜜を垂らしてる」
欲望をやんわりと手で包み込まれ、上下へと扱われる。
「やだ、止め…」
「止めない」
与えられる鮮明な快楽に、思考が付いていけなくなる。
ウォーリアの手から与えられる快楽に浮かされ、熱い吐息が漏れる。

「気持ちイイんだろう?君のここも、すごくイイと言ってる」
熱で売るんだ目でそう彼を見返すと、意地悪く笑ってそう言うウォーリア。
くちゅくちゅ…と、卑猥な水音を上げながら、動きは段々と俺を追い詰めるものへと変わる。
「うっ…ぁあ、止め……」
「嫌なら、ここで止めてもいいが…どうなんだ?」
すっかり反応している自分の欲望は、彼の手で解放されるのを待ってる。

「止めていいのか?」
「っ……」
確かに、イキたい。
でも……。

「イキたいんだろう?」
優しく愛撫を続けながら、そう問いかけるウォーリア。
「欲しいなら言ってごらん」
ぎゅうっと欲望の根っこを握りこまれ、欲望を吐き出すのを塞き止められる。
「ふぁっ!」
これに慌てたのは、俺。

はち切れない程に膨らんだ欲。
欲しなければ、与えられない。
望んだ快楽を…。

「ウォーリア……」
「何だ?」
火照った体が、羞恥を超えて快楽を欲してる。
「頼む、イカせて…くれ」
「分かった」
ちょっと微笑んで俺の頬にキスを落とすと、俺の欲望を解放させるべく、手で愛撫を繰り返す。
「あっ!ぁあ!!」
与えられた快楽に耐え切れず、ビクリと大きく体が跳ねて、熱を吐き出す。
そんな俺を見てウォーリアはフッと笑みを零すと、「いい声で鳴くんだな」と嬉しそうに言った。
「そんな事、言うなよ…」
「本当の事だ、イク時の快楽に溺れた顔も、凄く綺麗だ。
お陰で、すっかり出来上がってしまった」
そう言って押し付けられるウォーリアの腰で、男の熱い欲望が存在を主張している。
ゆっくりと俺の足を左右に押し開くと、俺の全てを曝け出させる。
「君が欲しい」
そう言って、俺の欲望が吐き出され濡れたままの指を俺の蕾へと入れる。

「ぅあ」
内臓に直接触れられるような感覚に、身を硬くする。
気持ちが悪い。
「フリオニール、少し我慢してくれ、君の体の為だ」
申し訳無さそうに謝るも、指の動きは止めず、ゆっくりと内側を押し広げていく。
「ウォー、リ…ア」
息苦しさに耐え、内側の侵食にも耐え忍ぶ。
「今、君のイイ所を探してる」
「そんなトコ…無いって」
「いや、あるハズだ」
中の指の数が増え、更にその二つがばらばらに動く。

「っ!ふぁ…」
その時、彼の指がある一点に触れ、その瞬間に快楽の波が全身に走る。
「……見つけた」
そう呟くと、執拗にその一点を攻め続けるウォーリア。
「あっ!嫌だ、ヤだって…そこ、変だ」
「感じてるんだろう?フリオニール」
その通りだった。
この体は確かにウォーリアの指から与えられる快楽に、身を震わせている。
力なく首を倒していた俺の欲望が、再び天へ向けて蜜を垂らす。

「そろそろいいな」
何が?と尋ねる前に、内側を押し広げていたウォーリアの指が引き抜かれる。
急な喪失感に物足りなさを感じていたが、直ぐにそのひくつく入り口にウォーリアの欲望が押し当てられる。
「いくよ、フリオニール」
「えっ…ふぇ、あっ!」
指とは明らかに質量の違うウォーリアの欲望が、体の中心を貫く。

その感覚に身を硬くすると、苦しそうな声で「力を抜け」と注意される。
「そんな事、無理…」
身体を引き裂かれるような感覚に、震える俺を見下ろして、苦しそうな表情をしたウォーリアは俺にゆっくりと口付けを落として、咥内を荒らす。
深い口付けに、俺の体から力が抜けた一瞬、ウォーリアが俺の最奥へと侵入してくる。
ウォーリアの欲望が俺の体内で鼓動する。

「熱いな、君の中は」
そう呟くウォーリアの吐息も熱く、俺の思考は溶け落ちる。
「ウォーリア…熱い」
そう言って、ウォーリアの身体へと手を伸ばす。
「ああ、私も熱い…君が早く欲しくてしょうがない」
そう言って、この体の中に収められた欲が動き出す。
「うっ、あぅ…ウォーリア」
「愛してるよ、フリオニール」
そう言って俺の額に優しくキスすると、激しい律動が開始された。

「ひぃやっ!!あっぁあ!」
俺の中を掻き回す別の熱。
愛する者が与える快楽に、俺の体も共鳴するように撥ねる。
「やぁ、ぅ…ウォーリア、俺…」
「私も…もうイキそうだ」
だから一緒に。
そう熱いウォーリアの声が聞こえ、イイ所を何度も突き上げられる。
体の熱が頂点に達し、その全てを吐き出した瞬間、この体の中で弾ける別の熱。
白く染まっていく意識の中で、俺は、その時この体を抱き締めてくれている恋人の存在を、酷く近くに感じた。


陽の光を感じて目を覚ますと、俺は何かに抱き締められていた。
いや、何かじゃない。
「おはよう、フリオニール」
俺が動いたのを感じてだろうか、ゆっくりと目を開けたウォーリアが微笑んで挨拶する。
「あっ…おはよう」
そうやって挨拶を返した時に気付いた。
俺とウォーリアが、裸で抱き合っていた事に…。

「えっ!あっ!うわ」
驚いてその腕から逃れようとすると、腰に激痛が走った。
「イッタぁ…」
「大丈夫か?無理しない方がいい」
そうやって心配してくれるのは嬉しいが、昨晩の事を思い出して羞恥に顔を染める。
そんな俺を見てウォーリアは、優しく微笑んだ。

「昨晩の君は、とても綺麗だった」
「そんな事、言わないでくれ」
思い出してしまうから。
そう言うと、ウォーリアは余裕な笑顔のまま「そんな君が可愛いよ」と言って、そっと唇に触れえるだけのキスをくれた。
それを甘んじて受け入れられる俺は、昨日までと少し成長できただろうか?


あとがき
後編、完成しました…。
初めてなんでね、甘いかんじのにしようと思って結果コレ。
色々とおかしい、ウォーリアいつ服脱いだんだろう?気付いたら脱いでたんですけれども。
その辺りはアレです、光の戦士のクオリティです、彼に不可能はないんです、多分。

裏はやっぱり難しいです、やっぱり反省点が多い。
まさかとは思いますが、ちょっと期待しちゃった方すみません…これから精進します。
2009/5/13
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