特別な日だから、と私は恋人を家に招いた
特別な日に、可愛い恋人をよろこばせたくて……

2/14 10:13 p.m.

「どうだフリオニール、満足か?」
「ふっ…ぁ、ぅう……ん」
ビクビクと小刻みに震える恋人を、私の膝の上に座らせ背後から抱き締める。
荒い息を吐き仰け反らせた彼の首筋へとキスを落とすと、目の前の鏡に映った私と目が合った。

「マティ、うす…恥ずかしい」
赤い顔で私に向けてそう言う彼は、私がやったシャツはボタンを僅かに外し、ネクタイは緩んでいる。選んでやったスーツのジャケットは腕で引っ掛かり、スラックスと下着は既に脱がして床に投げられている。
彼のスラリと伸びた足の間から伸びるコード、その先は私の手の中にあるリモコンへと繋がっている。

「気持ちイイか?お前を喜ばせる為に選んだんだが」
「よろこばす、の…意味……違うだろ?」
涙交じりの目がキッと私を睨みつける、怖くはない、むしろもっと可愛がってやりたくなる顔だ。
私は無言でリモコンのスイッチを動かし、彼の中を弄る玩具の力を強くする。
「ふぁっ!!ぁ、ぁあ…んっ!」
僅かに大きくなったモーター音に、彼は大きな悲鳴を上げる。
「間違ってはいないだろう?……ほら、お前の中はしっかり悦んでいるようだぞ、ん?」
彼の蕾の中へと指を差し入れれば指をギュッと強く締めてくる、私は微笑み、中に埋め込んだ玩具を更に奥へと押し込んでやる。
「ひぁああん!!奥、駄目だって!!」
そう言うが、彼の体はビクビクと震えて悦びを表している。
シャツの上から、プクリと膨らんだ愛らしい彼の胸の飾りを空いている手で虐めてやると、いやいやと首を横に振った。

「中だけではないな、ここもしっかり熟れている、それに……さきからここはずっといやらしい蜜を零したままだ」
胸から彼の足の間へと手を滑らせ、そそり立つ彼の性欲に溢れた熱の棒を握りこむ。
溢れだす愛液にまみれたそれは、私の手の中でグチュッと卑猥な音を立てた。
「相変わらず素直じゃない、それとも…これくらいじゃ満足できないか?」
「やっ、あぁ!!やぁああ!!」
彼の中に埋めたローターの振動を最大値まで引き上げてやれば、より一層高い声を上げて彼は鳴いた。

瞳に涙を溜めた彼が、鏡に映しだされる。
美しい表情だ、彼は快楽に染まった表情が非常に似合う。
残りの衣服を全て取り去り、何も隠せなくなった相手は縋る様に私を見る。
その目は私に助けて欲しいと訴えかけている、だが私はもっと虐めて泣かせたいと思い、彼の雄の根元に玩具のコードを巻きつけ彼が精射できない様にせき止める。

「や、だ……マティウス、やだ!外してくれよ!!」
イケない事に焦ったフリオニールが、振り返って私を懇願する目で見つめる。
そそる表情だが、まだだ。
今日の為に買っておいたある物の封を開け、一つ一つ包装された丸い物を取り出す。


「あっ……それ、何?」
「見た通り、チョコレートだな」
一口大の大きさのソレは、中にウイスキーが入った代物だ。
そこそこ値段はしたのだが、今回は普通に味わう為に買った訳ではない。

「ちょっ…マティウス、何する気……」
そう尋ねる相手を無視し、私は一粒その菓子を相手の蕾の内へと入れる。
「yぁ!!……そ、そんな所…駄目だって!!」
「駄目じゃないだろう?美味そうに食べているが」
そう言いつつ二つ目の包装紙を外し、同じ場所へと入れる。
一つ目のチョコレートが既に溶けはじめ、柔らかくなってきていた。
すっかり溶けてしまうまでにどれ程の時間が必要だろう?この分では、そう長くはかからないだろうが。
そう考えつつ三つ目を食べさせ、ぐっと奥へと押し込む。

「ひゃんっ……これ、中…ぐちゃぐちゃなっちゃ」
「グチャグチャになるのはこれからだ、フリオニール」
加虐心を酷く刺激する恋人の反応に私は気を良くし、彼の為に用意したもう一つの機械を取り出す。

「!……マティウス、なぁ…それ……それは、駄目」
青くなって首を振る相手を無視し、溶けだしたチョコレートが零れ落ちるのを防ぐよう、男性器を模した玩具をすっかり濡れている蕾の中へと挿入する。
スイッチを入れると、低い振動音と共に細かに震えるソレは、恋人の内側を酷く蹂躙していく。
言葉にならない悲鳴を上げ、ビクビクと体を震わせるも…快楽を極める事は叶わない体。
酷く困惑した様に私を見つめる相手に、優しく口付けてやる。


「すっかり掻き回されているんじゃないか?お前のナカは」
「ふ、ぇ……あ!」
振動する玩具を動かすと、涙を一杯に溜めて嫌だと首を振る。ソレを更に奥へと入れると、ビクンと大きく体が跳ねた。
「これ、やだ……」
そう言う相手に、じゃあどうして欲しい?と尋ねれば、恨みがましそうに私を見返す。
答えてみろとそう言うものの、彼は言い渋る為に更に奥へと玩具を突き入れる。
「ふぁっ!!ヤッ、ダ……もう、これイヤだって言って」
「なら、どうして欲しいか答えろ」
強い口調でそう命じれば、小さな声で何か呟いた。
「それじゃ分からんな、もっとちゃんと私に聞こえるように言え」
「……ぁ、マティウス…の、入れて……イカせてほしぃ」
そうだ、ちゃんと言えるんじゃないか。
羞恥で真っ赤に染まった首筋に口付けて、私の膝の上からベッドの上へ寝かせる。

グッタリとしたフリオニールの閉じようとした足の間に滑り込み、大きく押し開くと、根元近くまで玩具を飲み込んだ蕾が露わになる。赤く熟れたその周辺を指でなぞると、我慢しきれずに零れる甘い声。
もう少し焦らしてやろうかとも思ったが、自身を突き入れたい衝動が勝り、一息に咥えこんでいた玩具を引き抜く。
「ぅあ…ぁ」
グチュッと音を立てて、溶けたチョコレートと愛液の混じり合った液体が零れ落ちる。僅かに香るアルコールがこの空気を酔わせるものに変えているようだ。
零れ落ちたチョコレートを掬い、その指を必死に呼吸しようとする相手の咥内へと突っ込む。
「ふっ!!んん!!」
「美味いだろう?」
そう尋ねるとゆるゆるとその首を振った。ああ…そういえば、コイツは強い酒は苦手だったか……それとも、自分のナカに入れられたモノを口にするのが嫌なのか…。まあ、どちらでも構わん。

指を引き抜くと、欲を縛り付けていたコードを解き。充分な程に解されてドロドロに溶け落ちた蕾へ、私の雄を押し付け一気に奥まで突き入れた。
「ひゃっ!!…ぁあっあ!!」
「っ……」
突き入れたその衝撃で達したフリオニール、予想以上に熱く溶けた内側の肉が締めつけてくる快感に耐え、そっと相手を伺う。
ようやく解放された事によって少し気が遠くなったのか、ボーと焦点の定まらぬ目で私を見つめ返す相手に、私は微笑みかける。

「なんだ?そんなに私のが欲しかったのか?」
「ぁ……あ、ちが」
「そうか?だが、お前の体はまだまだ私のモノが欲しいと、そう言ってるようだが」
まだ何もしていないというのに、私のモノを包み込んで蠢く内壁、無意識のようだが僅かに腰が揺れている。
このナカを犯してくれと、そう言っているようにしか見えない。
「まだ寝るんじゃないぞ……私を、たっぷり満足させろ」


額に優しく口付けてやり、律動を始める。
待ち望んでいた様に締めつけてくるナカ、手加減等せずに激しく突き上げれば、悲鳴に似た鳴き声を上げてヨがる相手。
「ヤッ……激し、マティウス!」
「ハッ!口ではそう言うが、体の方は随分と悦んでいるようだが?」
一度達した後だというのに、既に起ち上がり透明な蜜を零している欲を片手で擦り上げてやると、直ぐに甘い声を上げる。
これで悦んでいない訳がないだろう。
私も早く満足したい。


「イケ、フリオニール」
「ふぁっ!…ぁあああ!!」
熱い内壁が震え、ナカの私を包み込む。
心地良い感覚に、私も奴の中へと性を吐き出す。
この瞬間が何よりもいい。
射精後の脱力感からかクタリと弱々しく横たわる恋人を、再びこちらへ抱き寄せる。
「ぁ……動かさな、で」
「まだまだ、いけるだろう?」
ニヤリと笑い抱き寄せ、再度律動を開始する。
まだまだ、夜は終らん…終らせる気もない。


翌日、身動きの出来なくなった恋人の機嫌を直すまで…数日を要した。

あとがき

皇帝×フリオでバレンタインでした。
……実際はクリスマス時期にアップしようとしていたけど、気が付けば過ぎてたからバレンタインにしたなんて……そんな訳じゃないんですよ。
ウィスキーボンボンとか、自分はトラウマがあって食べれないんですけど…皇帝は似合いそうだな、と。

チョコレートプレイ……実は、一度やらせてみたかったんです、あんまり上手くいかせてないですけど。
2011/2/14

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