子供はどうすれば生まれるの?という可愛らしいが、返答に困る質問
幼子であれば、コウノトリが運んでくるとか、キャベツ畑から拾ってくるとか…そう言うだろう

だが、相手は純粋無垢でとても無知な……雄の本能を宿した、大人だ
だとしたら、どうすればいい?
何を、どう、教えたらいいんだ?

よい子の保健体育

クチ、グチュ……という淫らな水音が、再び天幕の中に響いている。
しかし、この音はさっきまでのものとまた種類が違う。
「ふぁ!…ん、んぁ…」
彼の武骨な手が、俺の欲を擦りあげていく。
それはさっきまで、俺が彼に対してしていた行為であるが……こうやって人にされると、やっぱり恥ずかしい。

「もうこんなになっているんだな、出てしまいそうか?フリオニール?」
「ぁっ……やだ、イキたくな、い」
「?…どこに行くんだ?」
俺の言葉に、彼は首を傾ける…思った通り、その意味を知らないらしい。

「言っておくが、君を逃がすつもりはないぞ」
「ひっ!!…ひゃぁあん!!」
ギュッと彼の手が強く俺の雄を握り、敏感になている先端の部分をグリグリと刺激される。
その瞬間、ビクンと震えて、俺の雄から白い欲が零れ出た。


思い返してみると、この世界に来てからこういう事はあまりしていなかった。
特に、この人に出会ってからは。


「気持ち良くなったみたいだな、嬉しいよフリオニール」
そんな俺を見て、彼がニヤリと口角を釣り上げて笑う顔を、涙が滲んだ目でもしっかりと捉えてしまい、瞬時に顔が熱くなるのを感じた。
汚れた手をそっと布で拭き取ると、彼は俺の上へと乗り上がってきた。
ペタリと俺の頬に当てられる彼の大きな手、その手の動きは、まるで俺という存在を確かめるかの様だ。
重なり合う体、近付いた唇が俺の唇に再び重なる…俺の下唇をやんわりと食むと、そこから離れて行く。

「フリオニール……不思議だ、君を見ていると、どうしても体の疼きが治まらない」
頬を撫でる彼の手の動きをくすぐったいと思う、だが、逃れようと身を捩った所で彼は逃がしてはくれない。
「疼き……って」
「性欲というのだろう?さっきも言った通り、私は、君の体で子を成したい様だ」
そんな事を言われても、俺はその期待に答える事はできない。
例え天地がひっくり返ろうとも、俺とウォーリアが生物学上“男”である、という事は変え難い事実だ。
そして、その事実からは俺達が子を成せない……という事実が、そのまま語られている。
だがしかし、俺がそれを説明しようと口を開いた瞬間、彼の手は俺の頬から首筋を滑り、服を着たままの上半身をゆっくりと撫でながら降りて行く。
官能的な動きに、体が熱くなるのを感じる。


「随分と心臓の鼓動が速いな、君もそうなのか……」
俺の左胸に彼の手が重なり、俺の鼓動が彼を感じて早くなっているのを当てられる。
「ひゃんっ!」
その手が胸の上で動いた事で、俺の胸の飾りが擦られてビリッ電流が流れた様な感覚が体に走る。
「ここがどうかしたのか?」
「ふぁっ……ん」
そう尋ねる彼の指が、クニクニと衣服の上から飾りを触られて思わず上がった、色の付いた越えに俺は恥ずかしくなる。

何故、こんな声を上げてしまうのだろうか?
そんな事を考えている間にも、彼の指の動きは意図を持って俺の乳首を虐め始める。

「ウォーリアさん、そこ…お願い、放してくれよ」
弄られている内に、芯を持って立ち上がる胸の飾り。彼はそこを気に入ってしまったのか、頼んでも放してくれない。
布の上から捏ねたり摘まんだり、また押し潰され引っ掻かれる、その度に感じてしまう自分の体が恨めしい。
もし、直接触れられてしまったら……。
そんな俺の心配を余所に、彼は俺のシャツの前を寛げ始める。
その手を止めさせようと伸ばした俺の手は掴みとられ、その動きを阻止される。
そして、そのまま俺のボタンを開けて、俺の体からシャツを剥ぎ取ってしまった。

水浴びでも無いのに、一糸纏わぬ姿で、男の前に体の全てを晒している……そんな異様な状況に、体の熱が上がるのは何故だ?
彼の大きな手が伸びて、俺の胸の肉をその手で強く揉む。

「ひっ!ぁ……」
「良い肉だ、弾力があってよく鍛えられている、肌も張りがあって瑞々しい…」
そう言って、彼は俺の胸を揉んでいる…女性の様な膨らみもなく、固いだけの筋肉しかない男の胸を。
つぃっと彼の指が俺の上で動き、再び俺の乳首へと触れる。
散々彼に弄られたソコは、すっかり痛いくらいに立ち上がっている。
「綺麗な色をしているな、君のここは……でも、何故こんなに固くなっているんだ?」
「ひゃっん!!」
きゅっと指で摘まみ上げられ、ビクンと大きく体が跳ねた。
「ほら、こうしている間にもどんどん膨れてくる様だ……」
そう言う彼は、さっきまでそうしていた様に、また俺の乳首を捏ね、押し潰し、時折摘まんだり引っ掻いたりして虐める。

「やぁあん!ウォーリアさ、止めて…止めて下さ、い……」
「止めて欲しいのか?気持ち良くないのか?さっきから、凄く気持ち良さそうな顔をしているのに……」
「ぁっ…はぁ、ん……おねが、そこ…も、ヒリヒリして痛いんだ」
強い刺激をそこから感じてしまうのは確かなのだが、長時間、彼の指で虐められたソコは、既に腫れて赤くなってしまっているようで、本当に痛い。


「すまない、腫れているのだな、ここは」
そう言うと彼は、その手を放してくれたのだが…その代わり、彼の顔が近付き、彼の舌が俺の乳首の先端を舐め上げた。

「やぁあああん!!」
ゾクゾクと背筋に走る快感、指で弄られるのとはまた違う、熱い舌でねっとりと舐られる感触。
胸で感じてしまうのを恥ずかしいと感じながらも、彼はそんな俺にお構いなしで腫れた乳首を舐めていく。

「ウォーリアさ、んっ!!……ね、何して?…何で?」
「前に君が言っていただろう?怪我なら、舐めておけば治ると……ここも舐めれば治るかと思ったんだ」
「俺…別に、怪我…してる訳じゃ、ひゃぅん!」
「しかし、こんなに腫れあがってしまっている…私の所為なんだろう?」
そう言うと彼は、ちゅうっと音を立てて俺の片方の乳首をその口の中に含んだ。
形の良い、柔らかい彼の唇で挟み込まれ、強過ぎない力で吸い上げ、舐め上げ、しゃぶられる彼の口の中、ヒリヒリと甘い痺れが走る。

触れられてもいない自分の雄が再び力を取り戻して、トロトロと蜜を零しているのを感じる。
高まった熱から解放されたいけれども、彼にそれをおねだりできる程、俺の理性は焼き切れていない。
ただ、やりきれない気持ちを抱えながら、彼が与えてくる強い快楽の波にぐっと耐え続ける。

ちゅうちゅうと、彼に胸を吸われる度、腰へと落ちていく痺れ。
体験した事はないが、赤後に母乳を与えている様な……そんな気分だ。


「フリオニール……」
「んっ!…咥えたまま、喋らない、で…」
彼の歯が先端にぶつかって、それが強い刺激となって俺に襲いかかる。
それを聞いた彼は、そっと唇を吸っていた乳首から放し、それでも舌で愛撫を続けながら俺に言う。
「なんだか、ここを吸っているのは落ち着くんだが……どうしてだろうな?」
「ふぇ……?あ、そ…だな、母親の…記憶があるのかも、しれないな……」
「母親の?」
「ん……、子供は…母親の母乳を貰って、育つから…んっ、その頃の記憶が、残っているなら…母親の胸は、落ち着く、かもしれない……」
そういえば、口に何かを含む行為というのは大人になっても、気分が落ち着くものだと聞く。
本能というのか?そういうものの中に刷り込まれているのかもしれないな……。

「母の記憶、か……ここを吸えば、母乳が出るんだな」
そう言うと俺の乳首を再び咥えて、ちゅぅう…っと、今度は強く吸い上げた。
「へっ?あっ!ぁあぁあああああん!!」
ビュルッと出たのは、俺の精液の方で…彼は下で破裂した俺の雄を感じたのか口を放した。
射精後の脱力感と、言い知れない快楽の後で惚けている俺の頭だが……少しずつ呼吸を整えながら、感じていた事は。


「君は、胸を弄られても精液を出せるんだな」
「あっ!それ、言わないで!!」
羞恥心から出た俺の言葉に、彼は不思議そうに首を傾ける。

直接、雄に触れられる事もなく……女の人の様に、胸だけを弄られて達してしまう…なんて。
今なら自分は、きっと羞恥で死ねるだろう。

「それにしても、君は嘘吐きだな」
「あっ?嘘吐き?」
「気持ち良くない、とさっきは言ったのに……やっぱり、気持ちよかったんじゃないか」
素直じゃない事を責める様に、彼は俺の胸をもう一度吸い上げる。
「ひぅ……ちょっ、も…ヤメて」
「感じ易いんだな、君の体は」
そう言うと、彼はそっと顔を上げて、俺の頬へと頬ずりをする。
擦り寄って来る男を、どうしてか可愛らしいと感じたのだが……それも束の間の事。


「フリオニール、君と子作りをしたいんだが…どうしたらいいんだ?」
俺の目を見て、相手ははっきりとそう尋ねた。
何の冗談なのかと思うが、しかし、自分の下半身の雄に触れる相手の高ぶりを感じた瞬間に、俺の中で恐怖が再び芽生える。
この人は、本気だ。
ここでハッキリと言わなければ、俺は……本気で、彼に喰われる。

「あの、ですね……俺と貴方では、子供は作れません、よ……」
俺の発言に、彼はキョトンとした顔をする。
「どうして?」
「どうして、って言われましても。俺も貴方も男ですから、その……子を成す為の卵が、作れないんですよ」
「どうして?」
「俺と貴方は、同じ体の作りをしているので…」
「君と私は違う人間のハズだが?」
「男女の違いがどうして存在するのかです!子供を作る為の機関は、男女が合わさって初めて機能するんです!男同士では、子供は作れません!!」
後半はもうほとんど叫ぶ様にそう言うと、彼は何度か瞬きをして、俺の目の前で首を傾ける。
「しかし……フリオニール、私はそれでも君の子が欲しいと、そう思うぞ」
悲しそうな目でそんな事を言うものだから、俺の心がグラリと揺れる。
俺は本当の事を言っただけなのに、悪い事をした様な気分になるのは……この人の純粋さの所為か?

「今、この世界で出会ったまともな人というのは、俺は貴方しか知らない……それは、貴方もそうですよね?」
「その通りだ」
見た事もない敵に襲撃される毎日、その中で、彼と出会えて俺がどれだけ安心した事か。
彼もまた、そのような気持ちを持っていたのだろう。

「こういう状況は、おかしいんです。同じ性を持つ者同士しか居ない……自分の生物としての衝動を、吐き出す場所が…どうしても存在しない」
「それは、女性は我々の性衝動の捌け口だと、そういう事なのか?」
「いや!決してそういう意味ではなくって!!
恋愛感情を抱ける、そういう対象になれる女性が居ない状況になると……その、追いつめられるんで、同性に対してそんな衝動を持ってしまう事が、あるんです……」

そう、戦場では良くあることなのだ。
どうしても、女性と出会う事がなくなってしまうものだから……。
男に性欲を抱いてしまう、そんな異常な状態。

「では、私が君に抱くこの衝動は…おかしいのか?」
「まあ……そうです」
彼の言葉を肯定するが、彼は納得できないのか、俺の上で難しい顔をしたまま固まっている。
「だけど、実際…君も私の手で気持ち良くなったのだろう?」
「体の反応と心の衝動を、同列で考えないで下さい……体の感覚と心の感覚は、また別の場所の問題です…から」
そんな俺の言葉に納得できたのかできていないのか、彼は俺を真っ直ぐに見下ろしている。
そして、俺の肩口へと顔を埋める様に、ぎゅっと抱きついた。

「フリオニール……言葉で、頭で理解しようとも…体の衝動が思考とは別ならば、この衝動を止める術は、無いのではないか?」
「…………それは…」
確かにその通りだ。
彼の言葉にどう返答しようか、頭で考えていると、彼はより力を込めて俺を抱き締め、俺の首筋へ唇を寄せる。

「君とこうして抱き合っているのは酷く安心するんだ…人の温もりが、こんなに嬉しいものだとは知らなかった。
それに、君が私の手で蕩けた様な表情を見せる度に、私の中で言い知れない恍惚とした何かが浮かんでくるんだ」
そう言うと、彼は再び俺の上へと顔を見せた。
青い瞳が悲しげに、切なげに、また苦しそうに俺を見つめる。
「君との子供ができるかもしれないと思うと、酷く私の奥が歓喜するんだ……この気持ちは一体何なんだ?」
「そ……れは…?」

何なんだ?その感情は……。
まさか、彼が俺の事をそんな意味で好いている…とでも言うのか?
いや、肉欲が伴えばその様な感情も、芽生えてくるかもしれない。

錯覚として。

「貴方がそう感じるのは、性欲に伴って見せているただの…錯覚だ」
「錯覚?」
酷く傷付いた様な彼の表情、その痛ましい表情を見るのは俺も辛いが、しかし、それを乗り越えなければ。
彼におかしな事を、これ以上させる訳にはいかない。


「俺と子を成したいとそう思ったのも、そうだ。今この場に居る相手が俺しか居ないから、そう感じてしまっただけなんだ」
「近くに居た相手に、ぶつけて…解消しようとしてるだけだと?」
「そういう事だ。貴方がそういう感情を抱くべき相手は、俺じゃない……もっと、綺麗な女性であるべきだ」
「しかし、フリオニール……」
「それだけなんだ!この異様な状況で、俺に抱くその感情は貴方の欲が見せている幻覚でしかないんだ!そうでなければ、貴方が……」
俺の様な男に、魅力を感じるなんて事は有り得ない。
そう言おうとして、ふと涙が溢れて来た。

有り得ない…有り得ない事だ。


そう分かっているものの、人に好かれるという経験をした事がない、俺は……。
彼が自分を求めてくれる、その事が少し…嬉しいと思ったのだ。


「ごめんなさい…………俺、女の子じゃなくて」
そう言う俺の目元を、彼はそっと手を押し当てて涙を拭ってくれる。
「どうしてそんな事を謝るんだ?」
困った様に俺を見る彼に、俺は黙って首を横に振る。
「フリオニール、それでは分からない……私は、君よりも物を知らないんだ。お願いだ、言葉にしてくれないと…私は、何も理解できない」
彼は俺をあやす様に頭を撫でて、ただ黙って俺の言葉を待つ。
ゆっくりと呼吸を繰り返し、自分の心が落ち着くのを待ってから、俺は一つ一つ言葉を選びながら口にする。


「ウォーリアさん、こういう行為をするのは…ですね、本当は恋人同士だけなんです」
「恋人同士……それは」
「分かりませんか?互いを恋慕い、心を許し合った者同士…将来を誓い合える、そんな男女の事です」
「同性では駄目なのか?」
「同性では、何も生みませんから」
それは、文字通りの意味だ。
生産性の無い行為……そして、それは通常から逸脱した事でもある、だから、世界はそれを異常だとする。

「私と君では、駄目か?」
「駄目……ですよ、本当は」
「でも、私は確かに君を……」
「だから、そういう感情を抱く相手には俺は相応しくないと、そう言っているんです。せめて、俺が女性であったのならば…」
何も、問題なんてないんだ。


「ならば聞くがフリオニール、君は女性だったのならば……私を受け入れてくれるのか?」
「それは……貴方の様な、素晴らしい戦士は見た事が無い!男性として見ていても理想なんだ、女性からだったら…きっと嬉しいだろう、と思う」
「性別が同じだというのは、そんなにもいけない事なのか?」
「認められませんよ普通は」
「誰に認められなければいけないんだ?ここには、私と君しか居ないというのに」
「その通り、ですけど……」
どう答えるべきか、迷う俺の前で、彼は再び俺の首筋へと頬を寄せる。
抱きしめても、柔らかくもない男の固い体を、その腕の中にしっかりと抱き締めて。

「この気持ちは、愛おしさなんだな?君を愛しているんだな、私は?」
「俺に聞かないで下さい、貴方の感情でしょう?」
「私も分からないのだ、私は君に出会うまで感情というものをほとんど考えた事がなかったのだから…君が教えてくれた、その全てしか私は知らない」
ぎゅうっと、俺を手放したがらない様に…彼は腕の力を緩めてくれない。
「感情は難しい、私には理解できない事ばかりだ……だが、フリオニール。
君が錯覚だと言おうとも、今の私が君を愛しているのは…確かな事なんだ、そうだろう?」
「…………」
「私は、君ともっと繋がりたい…触れたいんだ、君に」
できないだろうか?とそう尋ねる彼に、俺は……首を横に振れなかった。


to be continued …

あとがき

フリオのWOL、性教育物語……ですが。
おかんしいな、前後篇で終わらせるハズだったというのに…終らなかったのですが……。
途中WOLさんがフリオの雄っぱいをいっぱい虐めているのが悪いんです。
だってあの人が、フリオの雄っぱいで楽しく遊んでるから止められなくて…。

あと、ギャグだったのに最後に真面目な雰囲気出したから、だから終らなくって続いちゃったんですね、そうですね。
次回で今度こそ終ります、どんな風な手を使ってでも強制終了しますので。
2010/10/21

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