貴方が好きだっていうなら、さ
俺も、できるだけ付き合ってあげたいけど……
あの……そんな期待に満ちた目で、俺を見ないでくれるかな?

生徒会長はコスプレがお好き!?

「どうだ、フリオニール?」
俺が着替えるスペースを作る為に、廊下に出ていたウォーリアが扉の向こうからそう尋ねる。
別に、男同士なんだから気にしなくてもいいのに。と言われれば確かにその通りなのだが、残念ながら、俺の気分としては見られなくて良かった…と思った。
「一応、着替えたんだけどさ……ウォーリア」
「入ってもいいか?」
「いいけど、あの……」
口籠る俺を前に、ウォーリアは部屋へと入って来た。
じっと俺を見つめ、彼はふっと微笑みかけた。
「良く似合ってる」
「そんな事言われても、嬉しくないんだけど」
俺は、初めて穿いたスカートの裾を握りしめてそう言った。


「ゲームでもしよう」」という、珍しい彼からの申し出に、俺は快く頷いた。
彼と一時の楽しい時間を過ごせるならいいな、と思っていた。だから、場を盛り上げる為に「罰ゲーム有りで」と口にしてしまったのだ。
それを後悔したのは、彼の前に三連敗を喫した時だった。
「罰ゲームは君に決定だな」
「ぅうう……」
罰ゲームの内容は、相手のお願いを聞く……というありきたりなものだった。
そして、そのお願いというのが…思ってもみないモノだった。


今、俺はウォーリアにお願いされた内容を実行している。
「どうしてこんな物持ってるんだよ?」
「インターネットで注文した」
サラリと返ってきた言葉に、俺は脱力する。 こんな物、わざわざ買ってまで用意しないでくれ。


俺が彼の『お願い』によって着ているもの、それは白い半袖に紺の襟とスカート赤いスカーフが眩しい、セーラー服だ。
普通ならば、膝丈よりも少し上程度なんだろうスカートの丈は、俺が着るには少し短過ぎたらしく。俺の必死の抵抗も空しく、それはミニスカートレベルにまで上がってしまった。
足がスースーして、落ち着かないし。上着の着丈も多少短いのが気になる……。


「可愛いぞ、フリオニール」
ニヤリと笑いかけるウォーリアだが、その笑顔に恐怖を感じる。
「だから、嬉しくないって……」
「どうして?本物の女の子みたいだ。いや、それ以上に美人だな」
そう言う彼は俺にキスして、それから後ろへと回って全身を見ると。そっと、結っていた髪に手をかけて何かをした。
「ほら、これでもっと可愛らしくなった」
彼の自室に置いてある鏡の前に連れてこられた俺は、その髪に赤いリボンが結ばれているのを見て、溜息を吐いた。
ああ、恥ずかしい……できるなら、早く脱ぎたい。
そう思うのだが、しっかりと後ろからウォーリアに抱きしめられている為に、その願いは叶いそうにない。
俺の項や首筋にキスをする彼を、くすぐったいと感じている内に、彼の手はセーラーの上着の内側へと侵入を易々と果たす。

「なっ!ちょっとウォーリア!!」
直接、俺の胸を撫でる彼の手に驚き、抗議の声を上げると。彼は俺の背後でフッと息を漏らして笑った。
「可愛い服着せられて、君は興奮していたみたいだな。ここが、触って欲しそうだ」
「ひゃっ…ん」
胸の飾りを摘まみ上げられて、思わず上がる声。その声に満足したのか、彼はそこに刺激を与え続ける。
爪や指の腹でグリグリと強く弄られる度に、ビリッと電流が流れる様な刺激が、体へと走る。
それと同時に、耳や首筋等の弱い部分を舐め上げられて、我慢しようとする甲高い声が上がってしまう。

「感じているのは、ここだけじゃなさそうだな」
そう言って胸を弄る手と反対の手が、俺のスカートの裾を摘まみ上げる。
「っあ……イヤだ、見ないで」
目の前の鏡に映し出された自分の下腹部は、快楽を求めて下着を押し上げている。
そんな姿を見られたくなくて、なんとか彼の腕から逃げようともがくも。彼の腕にガッチリとホールドされていて、身を捩る事はできても抜けられない。
「見ないでと言われても、丸見えだフリオニール。だが…逃げないところを見ると、本当は見せたいんじゃないのか?」
「なっ!!」
こんな事をしているのはウォーリアだろ!そう反論しようとした時、スカートから手が離され、穿いていた下着を下される。
「こんな色気の無いモノは、さっさと脱ぎ去ってしまおうか」
スルスルと、彼の手でゆっくりと俺の下着が下されていく。
抵抗しようにも、俺の背後にしゃがんだ彼が、俺の欲を握りこんでしまって…その快楽と、何をされるか分からない恐怖で、体を動かす事ができない。
足首まで下された俺の下着から、そっと足を持ちあげさせて抜き取ると。彼は満足そうに笑って、俺を再び背後から抱きすくめた。

「スカートの下で、こんなモノを膨らませて……君も、イケナイ子だな」
スカートの下で隠れてしまった彼の手が、俺の欲を握り込んで快楽へと導いて行く。
「はっ……ふぁ、ぁあん」
クチャクチャという淫らな水音と、目の前に映し出されている淫らな光景に、様々な感覚器官から彼に犯されている気分になる。

「いつもより感じているなフリオニール……ここも、こんなにグチャグチャにして」
「あっ、イヤだ…やだウォーリア!そんな、強くしない…で」
「別に強くなんてしてないぞ。いつも通り優しく、君を気持ちヨクしてる」
耳元で囁かれる彼の言葉、その吐息が噴きかかるのにさえゾクリと背筋が震える。
もう…限界寸前だ。

「あっ!ウォーリア、も……ダメ、イッちゃ…イッちゃう!!」
ビクンと体が震えて、彼の手の中に性を吐き出す。
吐き出した白いソレは、彼の手だけではなく着ていたスカートも汚し。また、俺の足を伝って流れ落ちて行く。
射精後で力の抜けた体を、ウォーリアに預けながら、震える足でなんとか体を支える。


「まったく。今日の君は一段と可愛いな……ほら、そろそろコッチも欲しいだろ?」
「ふぁっ!!」
ぐぷっ、と俺の吐き出した性に濡れた指が、一本俺の内部へと侵入してくる。
中を弄る彼の指が、角度を変えてどんどん俺の中を押し広げて行く。

初めは異物感しかなかったものの。彼と既に幾度か行為を繰り返した体は、この先にある快楽を知っていて、今ある痛みに耐えようとする。
早く、もっと奥まで触れて欲しい。
頭を過った言葉は、しかし声にはならず、彼の元へとは届かない。
俺の内部を弄る指は、次第にその数を増して行くけれども…肝心の部分だけは避けて、意地悪く俺を高めていく。

「あっ……ウォーリア、も…無理…」
「何が無理なんだ、フリオニール?」
分かっているクセに、彼は俺の内部から指を引き抜くと、ワザと俺にそう尋ねる。
喪失感から入り口がヒク付くのを自分でも感じて、顔が赤くなる。
「はや、くぅ……ウォーリアの、頂戴」
彼の方を向いてそう言うと、彼はニヤリと口角を上げて笑い、俺にキスをする。
だらしなく空いていた咥内へと、彼の舌が易々と侵入して、俺の舌と絡まり唾液が混ざり合っていく。
うっとりするような熱いキスに、意識がトロンとしてくると。ウォーリアは俺を解放し、彼の熱を取り出した。
内包する彼の熱によって、怒張した彼の雄を目の当たりにして、体が震える。
そんな俺を見たウォーリアは、また意地悪な笑みを浮かべた。


「フリオニール、私のモノが欲しいそうだが……どこに欲しいか見えないな」
「……えっ?…」
何を言っているんだろう、と思ったが。鏡に映った自分を見て納得した。
彼の手によって快楽へと導かれた俺は、その証として自分の汗や吐き出した欲によって汚れ。また、快楽に身を捩る間にしわくちゃになったセーラー服を、まだ身に付けたままなのだ。
なんだ、脱げという事なのか…そう思って、スカートのホックに手をかけた所で、ウォーリアの手に止められた。
「脱がなくていいから。君のイヤラシイ所、私に見せてごらん」
「どうやって?」
「スカートなんだから、自分でめくればいいだろう?」
「……っえ?」
つまり、自分でスカートをめくり上げて彼に見せろ、という事……か。
そんな恥ずかしい真似を、と思うも、やらなければ彼は動いてはくれない。
早く、彼が欲しい……そう思う気持ちが、俺の羞恥心を上回った。


「ウォーリア、ここ…早く、頂戴」
震える手でスカートをたくしあげて、彼の目の前に、自分の双丘を突き出す。
「本当に、今日の君はイケナイ子だな……」
言葉でこそ意地悪くそう言うが、その声は酷く楽しそうだ。


彼の熱い欲が俺の入り口へ押し当てられ、そして、内部へと進んでいく。
「あっ!熱い!!うぉーり、あ……ぁっ、ぁああああん!!」
立ったまま背後から突き入れられた彼の欲が、俺の最奥を穿つ。
突きあげられる度に体が震えて、声が、止まらない。
「んぁ、ウォーリア!これ…ダメだ、立ったまま、なんて…ほんと、ダメ」
「ああ、良く締まるな…君のナカ。凄く、気持ちイイ」
「ひっ!ぁあ……ソコ、ダメ!!」
さっきまでは触れてくれなかった一番感じる所、そこを思いっきり突かれて上がる悲鳴。
何度も何度も、彼の動きは激しくなるばかりだ。
「あっ、ウォーリア…俺も、ダメだ……またイッちゃ」
「いいぞ。私もイキたい」
君のナカで……という一言の後、一気に激しくなる律動。
「ウォーリア!!ウォーリア、ァ…ああああ」
「……っ」
高まった熱を放出すると共に、背筋に寒気に似たゾクゾクとした感覚が走る。
俺の内側でも熱いモノが噴き出して、ああ、ウォーリアもイッたんだな……と軽く思った。


「本当に、本物の女の子みたいだ……。いや、それ以上だ」
「ふぇ?」
「ほら、見て御覧フリオニール。とても綺麗な君が、鏡に映ってる」
促されて前を見れば、欲に溺れ、彼の腕に縋りつく乱れた自分の目と目が合う。
彼の言う通り、女の子の様に乱れた自分。
荒く息を吐き、立っているのさえやっと…といったように、体の震えが止まらない。
「んっ!!」
と、俺のウチに収まって彼の雄が抜き取られ。彼の腕から解放された体は、その途端に床の上へとヘタリ込んだ。
呼吸を整える俺、優しく彼の手が頭を撫でると…そっとその体を抱え上げられた。
「フリオニール…今度はベッドで、いいだろう?」
「!!」
耳元に吹き込まれた言葉に震えるも、自分に拒否権が既にない事は、この状況からして分かっている。
まぁ……仕方ない、もうちょっとくらい、彼に付き合ってあげたっていいよな。


「…………しかし。これは、クセになりそうだな」
「……え?」
ちょっと待ってウォーリア。
クセになりそうって、何が?

あとがき

最近、変態なWOLって良いよね、生徒会長はコスプレ好きそうだよね……と、某氏とお話してまして。
そこから派生して、どうしても止まらなくなったコスチュームプレイするWOL×フリオです。
正直、もうちょっとタイトル考えろよお前……ってかんじですね。趣味悪い事は自覚してますよ。
本当は、フリオにメイド服を着せようって話だったんですけど。いきなりメイドでいいのか?という葛藤が起きたので、セーラーぐらいにしてみました。

ウォーリアは変態になっても、違う意味で全くブレない人だと思います。
2010/9/3

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