…………君は、私をどうしたいんだ?

それは正義!!

「おかえり、ウォーリア」
帰って来た私を出迎えてくれるルームメイトの笑顔は、いつだって可愛い。
だが、今日は普段の微笑みとは違う。
赤く染まった頬に、伏し目がちな瞳…恥じらいを見せる表情は酷く愛らしい。
だが、そんな彼の表情よりもずっと、気になる事がある。


「フリオニール……その格好は、一体どうした?」
愛用のエプロンと、少しサイズの大きいTシャツ…それは、まだ許そう。
問題は、その下だ。
エプロンから覗く、綺麗な瑞々しい褐色の足。
そして、その足はTシャツから直接出ている…ように見える。


一体……彼に何があったのか!?


「あっ…ゴメン、勝手にTシャツ借りて……」
真っ赤になった彼がそう言う服は、確かに私の物だ。
いや、私はそこを聞いたんじゃない。

「そうではなくて、だな……どうしてそんなに露出の激しい格好を?」
「あ……えっと、その…やっぱり、嫌だったか?」
項垂れてそう言うと、小さく溜息を吐くフリオニールに対し、私はうろたえる。
理由は分からないが、どうやら彼には何らかの意図があった事がこれで明白になった。
だが、依然としてその意味は理解できない。
軽く眩暈を覚える私の前で、フリオニールはぎゅっとエプロンの裾を握った。
少しだけ押し上げられた青いエプロンの舌、大きくて体格に合っていない為にずり落ちたTシャツの裾から、僅かにスポーツ用の短パンが見えた。

一応、履いてはいたのか……いや、だからといっても、そんな事では何も事態を好転しない。
ドクドクと早鐘を打つ私の心臓は、私の体の熱も上げていく…。

ああ、彼に触れたい……。


「フリオニール」
項垂れたままの彼を、腕の中へと閉じ込める。
「ウォーリ、ア……」
俯いたままの彼の顎を取り上を向かせると、そのまま唇を塞ぐ。
急の事でビクリと体を震わせる彼をしっかりと抱きしめ、甘く熱い彼の咥内へと舌を滑り込ませる。

「ん…ふぅ……」
逃げ惑う彼の舌を捕らえて、深く深く味わう。
存分に味わった後で唇を離すと、頬と潤んだ瞳で彼は私を見つめ返す。


「ウォーリア?」
「よく分からないが…そういう格好の君を見ると、私がどうなるのか…想像できなかった訳ではないだろう?」
耳元で声のトーンを落としてそう言うと、彼は頬をますます赤らめて私の視線から逃れようとする。
「まさかとは思うが…それを狙っていたのか?」
「…………あ、の」
弁明をしようとしたのか、しかし言葉の続かない彼にもう一度軽くキスして、私は溜息を吐く。
「理由は、後で聞こう」
「えっ……あ、ウォーリア!」
彼の体を抱き上げると、そのままの格好で風呂場へと押し込む。
後ろ手でドアを閉め彼の元へと歩み寄ると、少し怯えた視線で彼が私を見上げる。

「ウォーリア、あの…何」
「何をするつもりなのか、この状況で分からないとは言わせない」
風呂場の壁へと彼を追い込み、背後の壁に腕をついてそう言うと、彼は見つめる私の視線から逃れようと左右に目を泳がせた後、結局は俯いてしまった。
「なら…服、脱がないと……」
「分かっている。だが…まだ必要ない」
「……ちょっと、ウォーリア…必要ないって、何が?」
尋ねる彼に無言で微笑みかけ、着ているTシャツの裾から、ゆっくりと手を差し入れて彼の肌を撫で上げれば…ビクンと大きく彼の体が揺れた。

「全く……こんな厭らしい格好をして」
「ぅ……あ、俺……その」
潤んだ目で私を見上げる彼の表情は、この行為を待ち侘びていたかのようで…。
酷く、欲を煽ってくれる。

「君の熱烈な誘いは、充分に受け取った」
「そんな…っぁ!」
彼の胸の突起を摘まめば、愛らしい声が上がる。
そのままそこを弄って虐めてやれば、次第に甘さの帯びた喘ぎ声が漏れ始め、室内に反響する。

「ウォーリア、ねぇ…風呂場、は…嫌だ」
荒い息の中、そう呟かれた彼の言葉は小さく、どうやら耐えているようだ。
自分の声が響くのを、恥ずかしがっているのだろう。
「風呂場なのだからいいだろう?……流してしまえば、直ぐに綺麗になる」
そんな彼に笑いかけ、シャワーのノズルを捻り温まったお湯を出す。

「うぁっ!あ、つ……」
パタパタと体を打ちつける水の温度に、驚いたように彼の体が跳ねる。
温水が肌を打つ心地良さと、濡れた衣服が纏わりついてくる感覚。
水分を含み絡まって解きにくくなる前に、結っていた彼の髪を解き、濡れて行く彼を攻めていく。

空いた首周りから覗く彼の鎖骨に歯を立て、胸を弄る手をゆっくりと滑らせて彼の体を撫でて回す。
「はぁ…ウォーリア。くすぐった…ん、ぁ」
「君の体は熱いな…それに、触り心地がとても良い」
水気を帯び、しっとりと吸い付くような彼の肌。
幾本にも別れた水の筋が伝い流れる彼の足を撫で上げると、フルフルと震えてその感覚に耐えている。

「ど…う、するんだよ…こんな、ビショ濡れになって……服とか、洗濯」
私を見上げて、彼が反抗したような色気のない一言を告げる。
「そんな事はどうでもいい、それより…」


今はコッチの方が大事だ。


「気持ちイイんだろう?我慢しなくとも、いいんだぞ」
「あ……何を、我慢?」
「ん?君は恥ずかしがり屋、だからな…甘い声で鳴くのも好きに乱れるのも我慢する」
「俺、何も……ふぁあ!!」
奥に息づく、彼の熱い欲に触れると一層上げられる甘い声。

「体はこんなに正直だ…ほら、ここは気持ちイイと言ってる」
濡れた服の上から弄ると、ビクビクと反応を見せるソコ。
認めたくないのか意地を張っているのか、震える彼に意地悪く囁けば否定するように首を振られる。

強情な彼の下着の中へと直接手を差し入れ、欲望を強く握りこめば、ビクンと体が大きく反りかえる。
先端を弄り、幹を上下に擦ってやると、可愛らしい鳴き声が上がる。
「んぁ…ウォー、リ…ア、ぁあん!」
「好きだな、君も…ところで、コッチも欲しいんじゃないか?」
もう片方の手で、彼の形の良い尻を撫で上げ…その奥に息づいている蕾へと指を挿入する。

「ふぁ!!なっ…いき、なり…そんなの!!」
縋りつく彼の腕に力が籠るものの、急な挿入にしては、彼の中はすんなりと私の指を根元まで飲み込む。
中を弄って解しつつ、柔らかい彼の体内に…もしかしたら、私を思って一人慰めていたのかと思い、思わず笑みが零れる。
平素はあれだけ人目をはばかり、恥ずかしがる彼の、隠れた時に見せる性本能というのは…もしかしたら人より強いのかもしれない。

純情ではあるが、彼は決して無知なわけでもない。
羞恥を取り除いた彼の、乱れ方が本当に美しい事を、私はよく知ってる。

「随分と欲しがってくれてるんだな、私の事を…まだ指だけなのに、こんなに締めつけて」
グチャグチャという水音を上げ、内に収めた指と幹に絡めた手で彼を刺激する。
「ぁ…止め……」
「そうか、止めていいのか?だが…私はそろそろ限界なんだ」
耳元で呟く私に対し、彼の体が恐怖で一瞬震えた。


着ていた下着と短パンを脱がし、浴槽の淵に手を付かせる。
浮かび上がった肩甲骨と、浴室に響く荒い息使い。
「あ、の……ウォーリア、恥ずかしいんだけ、ど…」
背後に立つ私をそっと顧みて、赤くなって訴えかけるフリオニールの濡れた腰を掴み上げ、その背中に口づける。
「色っぽいぞ、フリオニール」
「色っぽいっていうか、もう恥ずかしいって…ふぁ!」
彼の蕾に、熱を持った私自身を押し宛てると、待ちかねたかのように彼の体がフルリと震える。
ヒク付く彼の内側へと押し入ると、熱く絡まりついてくる。

「はぁ…ふ、ぁ…あ……ん」
流れ落ちて行く水音の中に、淫らな水音と、彼の上げる甘い声が混ざる。
「ウォーリア…ウォーリア、も…駄目、駄目だってイッちゃ…」
ピンと力を持った彼の欲望に、そろそろ我慢の限界が来ているのは分かる。
分かるが、何も聞かなかったフリをしてそのまま彼を攻め続ける。

「あっ……ね、ねぇ…ウォーリア、ウォーリア…もう止めてくれ!なぁ、ウォーリア…も、駄目だから、ぁああ!!」
ビクンと一際大きく彼の体が反りかえり、達する瞬間、彼が中に居る私を締め上げる。
「…ック」
そのまま、彼の中に欲を吐き出せば、クタリと体から力が抜け、力なく床へとヘタり込む恋人。
長い足が投げ出され、俯いて荒い息を整える彼の姿は酷く扇情的だ。


彼の頬へと手を伸ばし顔を上向かせる。
「ヨかった、みたいだな」
ニッコリ笑ってそう言うと、彼にゆっくりと口づけた。


「それで、君はどうして私の理性を試す様な事をしたんだ?」
試された上に、一切我慢できていないのだが……しかし、彼の目的が一切分からない。
疲れ果ててベッドに横になる彼の隣りに腰かけ、その背をゆっくりと撫でてやりながら尋ねると、彼は緩慢な動きで私の方を見返す。
「あ……それは、だな…」
赤くなって口籠る彼の続きの言葉を待つと、意を決したかのように口を開いた。

「男のロマンだって、言われたんだよ」
「あの格好が、か?」
「いや……正確には、その…………裸エプロンだな」
一体どんな会話から出て来たのかは不明だが、そういう方向の会話になったんだろう。

「それで、私の理性を試そうと?」
「あっ……別に悪意があったわけじゃなくてさ、その…まぁ、なんていうか…喜んでもらえるかと」
話している内に恥ずかしくなったのか、赤くなって俯いた彼の言葉に、私は溜息。

流石に裸になるような勇気はなかったんだろう、だからといってどうしてあんなチョイスをしたのか…。
恥じらいを見せる彼と、それとは反対な大胆な装い。
あり得ない破壊力だった…。

「フリオニール…君は、私をブレさせたいのか?」
「あ……怒った?」
「いや、君の足は魅力的だと思った…が、私の理性を果てしなく崩壊させたくなければ、止めた方がいいかもしれない」
「……そう、だな…」
力なく頷くと、彼は枕に顔を埋めた。

あとがき

えー…まず最初に言うべき事がありますね。
申し訳ありませんでした!!

何て言うか…ただ今、本気で物が書けない状況に陥ってるのでそれを脱してやろうと…自分のやりたい事をやらせた結果、がコレです。
先日カラオケに行った懐メロ好きの友人が入れた光GENZIの、当時のメンバーの格好がTシャツに太もも丈のめちゃくちゃ短いスポーツ用の短パンっぽい奴だったもんで、それがまたTシャツの裾で隠れる感じに見えて、けしからんのですよ。

それを、フリオでさせてみたかった…というだけの話なんです。太ももと濡れて張り付いたTシャツは正義!!……頭沸いててスミマセン。

久々にWOLフリでエロを書いたんですが…久々の作品がリハビリって、どうなってるんだ自分。
とりあえず、早くまともな状況に戻りたいのです。
2010/3/11

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