この国がまだ乱世で。
人の世とあの世の境が、まだ曖昧であった頃のお話です。

乱世の光

合戦跡を、一人の男が歩いていた。
しっかりと鎧兜を着込んだ、小奇麗な格好の青年だ。
戦に敗れた敗残兵や、そんな相手を待ち構えている落ち武者狩りの下賤の身分には見えない。その顔立ちや装備から察するに、高貴な身分、少なくとも一軍の将かそれなりの力を持つ者ではないかと思われる。それ故に、あまりにもこの場に似つかわしくない存在のはずなのだが、それが何故かしっくりとくる。
ふらふらと霧が流れ出した場所を行く姿は、見る人が見れば亡霊のように感じるからかもしれない。

「あーあ、皆どこ行っちゃったんッスかね?」
などと呟きながら、男は死体の間を歩いて行く。その口ぶりから察するに、どうやら仲間とはぐれてしまったらしい。
「皆、何してるんッスかね?というか、何したいんだろ」
そう言いながらも青年はゆっくりと歩いて行く。
だが、ふと足を止めて耳を澄ませた。
馬の蹄が地面を蹴る音がしたのだ、それはどんどんと近づいてくる。そうこうしている内に、その人影が見えてきて、青年はビックリして立ち止まった。
「おいお前どこの者だ?何でこんな所に居る」
男は馬上から下りて、青年に近寄るとそう尋ねた。
じっと見据えるその瞳は、敵ならば斬るという敵意も汲み取れる。
「えーと、なんていうか……誰って言い難いんッスけど」
そう言いながらも青年は自分の刀に手をかけた、そうして一息に抜き去って、男に近づいて来ていた男を切り倒した。
それを見て、男は大きく目を見開いた。
「アンタって偉い人だったりするんッスか?もし、敵さんに何か用があって来てたんなら、引き返した方がいいと思うッスよ?」
そう言うと、自分の刀を振るい更に一人、二人と切り倒していく。
どうやら死体の山に隠れて、この男の敵陣の兵が紛れ込んでいたらしい。
和睦の申し入れと見せかけての、暗殺計画だったようだ。
それに気づいて男は舌打ちをすると、自分も刀を抜いて近づいてきた敵を一刺しに切り倒した。それを見ていた青年は、この男は中々の使い手だなあと感心していた。

「すまない、お前のお陰で命拾いした」
「いいッスよ、これくらいは」
周囲に潜んでいた敵を倒し、男は青年に礼を言った。軟弱そうな雰囲気を持っているわりに、随分と良い腕をしていると男は関心していた。
「俺は海条の笠松という者だ、お前、名前は?」
「俺ッスか?えっとね……黄瀬涼太ッス」
少し考えるそぶりを見せてから、青年・黄瀬はそう答えた。
笠松はその歯切れの悪い返答に少し首を傾げたが「そうか」と、意に介さない事にしたようだ。彼が何か自分に偽りを言っているとしても、それは己の身に災いとなるものではないだろうと、青年の放つ雰囲気からそう判断したからだ。
「黄瀬か、聞いた事ないなあ。まあいい、良かったらこの礼をしたいんだが」
「お礼ッスか?…………んー。笠松さんって、その海条じゃ偉い人なんッスか?もしそうなら、いや、そうでなくってもいいんで。俺を、そこまで連れてってくれないッスか?」
「はあ、何で?」
「いやね、俺……帰る所、ないんッスよ」
青年は困ったように笑ってそう言った。
まるで、雨に降られ飼い主を待つ犬のような笑顔で言った。

所変わって、合戦場の真ん中。
人の怒号が飛び交う中で、一人の青年は銃口を構えていた。自陣の柵から敵の攻撃を防ぎ、味方に当たらないように敵将に狙いをつけていた。
しかし、そうしながらも青年はこの戦の引き時を考えていた。
そろそろ引き上げなければ、味方は疲弊しもう幾分も持たない事は目に見えていた。それに対し、敵陣の勢いはまだ衰えを見せない。
このまま続ければ、完全に負け戦である。
戦局を見つめながら、青年は構えていた銃身をそっと下ろした。
全軍に撤退の号令を出すべきだと、立ち上がりかけたその時だった。

「随分と正しい判断をするな、その目には関心したのだよ」
「えっ?」
青年の隣には気が付けば体躯の良い、一人の兵士が立っていた。その手には弓が握られ、背には矢立を背負っている事から弓を得意としているのだろう事は分かる。だが戦場の真ん中だというのに。どういう訳か片手には木彫りの熊の置物を持っている。
一体、どこから現れたのか。全く見当が付かない。
しかしその立ち姿はやけに神々しく、パッと見ただけでこの男は強いと思わせた。
ただ、この様な兵が味方に居ただろうかと青年は首を傾げていた。
味方の兵であれば、見て忘れるはずがない。ましてや、自分の目で今まで認識できていなかった事が、何よりもおかしい。
そんな青年の疑問を置いておいて、男は相手の目を見て言う。
「中々に気に入ったのだよ」
「何が?」
「お前のその目だ。しかしその心意気は充分じゃないのだよ。お前はまだ、今日の人事を尽くし切れていないのだよ。天命を得るためには、その日の人事を尽くし切らなければなるまい」
「そうは言っても、今のままじゃあこの戦況は変えられないさ。たかだか一人の兵の力で、負け戦を勝ち戦には変えられないし」
できるだけ明るく、しかし真面目に青年はそう答えた。
負けると分かっている戦に、何故こだわる必要がある、そう相手を責めるつもりだったのだろう。
「……果たして、そうだろうか」
そう言うと犬の置物を青年に渡し、青年は矢立から一本矢を引き抜いて、それを弓に番えるとぐっと天に向けて構えた。
いくら弓の攻撃が長いとはいえ距離が遠すぎる、当たるわけがないと青年は思った。だが引かれたその弓は男の手から離れると、ビュッと素早く風を切り真っ直ぐに敵将の首を刺し貫いた。
特殊な目を持つ青年は、それをはっきりと認識していた。そうして、目の前に立つ相手のあまりの才能に、思わず人間なのだろうかとまで思ってしまった。

声もなく見惚れてしまう程に、弓を撃つ男は美しかったのだ。

「次はどれだ、早く言え」
「えっあ、あの」
「その目で見えているのだろう、分かっているのだよ。獲物を見つめる鷹の目と同じ、弓を扱う俺には便利な目なのだよ。それで次の的はどれだ?」
そう言う男に、青年は自分の目を駆使して敵の将の位置を把握していく。その方向を指示すれば、隣に立つ男の弓はきっちりと頼まれた場所へと真っ直ぐに飛んでいく。
こんな兵が人であるものか、青年はそう思った。
「あっ、あの……俺は高尾、高尾和成っていうんだ。アンタは?」
「俺は……緑間、真太郎なのだよ」
そう答えた青年の弓は、やはり真っ直ぐに敵へ飛んでいった。

「ほな、桜井は今日も先陣を任せるで」
「はい!すいません」
軍議の終了間際、まだ少年のあどけなさを残したどこか気弱そうな青年は、軍師の言葉におどおどしながらそう答えた。それを見ていた年長の将には「お前のその態度、どうにかならねーのか!」と荒々しい口調で責められ、更に怯えながら「すみません」と返す事になった。
既に恒例となっている光景に、他の将達はさっさと自分の持ち場へと移動を開始していた。指揮官でもある軍師の男も「いい加減にしいや」と関西弁の特徴的なねちっこい声色で伝えると、合戦図を片付けて自分の持ち場へと移動していった。

桜井と呼ばれた青年は、怯えながらも自分の持ち場へと走って行く。その手にはしっかりと弓が握られている。
男気や頼りがいという言葉から、青年は程遠い存在ではあるけれども。それでも兵を任されているのは、それだけ力を持っていたからだ。
彼は弓の名手である。実力さえあれば、彼等・桐皇軍に身を置くだけの価値はあるし、青年・桜井は見た目や態度だけで軟弱者と簡単に切り捨てられる存在ではなかった。
「うわっぁ!」
そんな彼が、自陣に帰る途中に予想外の所でつまづいたのは、別に彼がどんくさいからではない。まさかこんな山道の真ん中で、堂々と寝転んでいる人間がいるなんて、一体誰が考えるだろうか?

「いってえなあ、何しやがる」
「すみません、すみません!気が付かなくてすみません!」
ビクビクと怯える少年を、のっそりと起き上がった相手は敵意剥き出しで睨みつけた。
怯える少年に対し、男は肌が日に焼けて黒く体付きも逞しい。荒武者と言われれば納得だが、高貴な身分の武人だと言われても変に頷けるような、そんな雰囲気を持っていた。
どこの兵なのか、いやその風貌であればそれなりの将であるのだろうか、彼の所属が分からず、桜井はただ怯えて謝り続ける。
「すみません、気が付かなくてすみません。っていうか、本当に僕もう生きててすみません、すみません!」
「あーもうウルセエなあ。んな謝られてもしょうがねえだろうが」
「はい!すみません!」
「だから!……まあいいや。ところでよお、これからもしかして戦が始まったりすんのか?」
「は、はい……そうですよ?」
まさかそんな事を聞かれるとは思ってもみなくて、桜井は首を傾げながら相手にそう答える。そんなしっかり鎧を着こんでおきながら、戦なのかと尋ねられるとは予想外にも程がある。
「ふーん、じゃあ好都合だな」
「好都合、ですか?」
「おう。お前なんか頼んないから、今回は手柄立てさせてやるよ」
そう言うと男は立ちあがり、その代わり礼は寄越せと要求してきた。
「お礼、ですか?」
「おう。まず美味い飯な、最近ちゃんとしたモン食ってなかったから、かなり美味いモンでないと満足しねえから。あと女、顔がイイのは当たり前だけど胸もデッカイ奴な」
「は、はあ……」
「んで、ついでにお前の主に会わせろ。雇ってもらえねえか、俺が直に交渉するわ」
「は、雇う……ですか?」
どうやら男は士官しに来ていたらしい、それは分かったものの。どうにもやる気がなさそうだ、それこそ自分を雇ってくれるのであれば国などどこでも良いといった雰囲気さえある。仕える主を間違えれば、命取りに成りかねない乱世において、あまりにも捨身なその姿に首を傾げる青年を置いて、男は勝手に歩き出す。
「んで、どこに行けんばいいんだよ」
「あの、えっと。僕の陣はこっちです」
「陣ってお前それで将かよ?」
「はい、すみません。あと、僕は桜井です、桜井良です。すみません」
「ふーん良ねえ。俺は…………青峰……青峰、大輝」
そう言うと男は不敵に笑った。そのあまりにも歪んだ表情は、まさしく悪鬼のようであった。
桜井は意味もなく、また「すみません」を繰り返していた。

そろそろ戦局も終盤になろうとしていた。
どう見ても、相手との勢力が違う。小国に手をこまねいているわけにはいかない相手からすれば、これ以上の負けは対面的にも避けたかった。
だがどう考えてもこれは利が悪い。
どのような訓練をしているのかは定かではないが、敵兵の強さは中々のものだ。
やはり今回も負け戦かと思われて、撤退の準備を始めた時。
戦場にふらりとそれはやって来た。

どちらの軍に所属しているわけでもないのだろう、面倒そうに大太刀を握り締めて、斬りかかってきた相手を薙ぎ払う。
そう、薙ぎ払うという表現が正しいだろう。
その男は他の誰よりも強く逞しく、何よりも体が格段に大きかった。
そんな相手を見て、最初こそ兵士はひるむものの。体から醸し出されやけに投げやりな雰囲気から、勝てるのではと勝負を挑んでいく。そうして、酷く面倒そうに、眠りを邪魔する虫を払うかのような手つきで薙ぎ飛ばされていく。
その様を見て、戦意を失くす者が多数あった。

そうしてふらふらと戦場を歩いていた正体不明の男は、気が付けば片方の陣営の側まで来ていた。撤退の準備を始めていた軍の中枢に居る者達は、その姿を見て警戒を強める。
そんな相手を男はとてもどうでもよさそうに見つめて、口を開いた。
「ねえ、この戦に勝たせてあげたらさー。後で、美味しいものたべさせてくれる?」
そのあまりにも呑気な言葉に、将達は一気に毒気を抜かれた。
子供のような言葉に頭を抱えながらも、将達の中から一人の女性が歩み出た。
「お前、何者だ?」
軍勢を指揮していた女軍師は、闖入者を見つめてそう尋ねる。
そうすると男はしばらく「んー」と小さく唸った後で「ああっ」と何か思い出したように言った。
「俺はね、紫原敦」
「紫原か、聞かない名前だな」
「そうだろうねえ。でさ、どうすんの?食べさせてくれないなら、向こうの人達にお願いしに行くけど」
向こうというのは敵陣の事だろう。
今ですら戦況は悪いというのに、これ以上の犠牲は正直避けたい。
「……いいだろう。もし本当に我々を勝たせてくれるというのならば、毎日の食事の面倒くらい見てやってもいい」
「本当に?じゃあ、ちょっと捻り潰してくる」
そう言うと、巨大な体躯をそれまでとは違って目的を持って相手に向けた。

おそらく男は別にどちらの敵でもなかった、ただ自分と交渉できる相手を探していて、より近かった軍勢の方に交渉を持ちかけたに過ぎないのだろう。
真に敵となって向かい合った時に、兵は思った。
その男こそ、まさしく夜叉なのではないかと。

中央と呼ばれる政治の中心都市には、今日も各国からの報告が入ってきた。この国の全ての頂き、いわば頭脳のような存在それがここだ。
しかし、「中央」が名ばかりになって久しい。
年々と地方を治める者達が力を付け、自らの領地として国を名乗り始めたのはもう数十年以上前からの事だ。
中央は権威こそあれ、真に国の体勢を動かしているとは言い難い。
それでも、この世の頂きに立つのはこの中央の政権であった。
中央の機関が集まるこの場所を、人は都と呼ぶ。

都の中央機関の門前に、男が一人立っていた。
甲冑に身を包んでいる事から武士なのだろうと思われる。しかし、戦でもないのに、こんな都の中心部で鎧を来た武士などまずはいない。
見ただけで怪しい。
「おい、お前止まれ」
「ここは中央の管轄する御所よ、貴様のような武士が立ち入って良い場所ではない」
二人の門兵によって男は行く手を阻まれた、それだけで引き返したならば、それまでとなったのだろうが。男は勿論、その程度で引いたりしなかった。
「お前達、誰に口をきいている」
そう言うと少年は、ニヤリと笑った。兜の影になっているので目はしっかりと見えない。
だが、その体から立ち上るの異様なまでの雰囲気に門兵達は心の中で恐れ慄いていた。
それは殺気などの類とは違う。天敵を前に足が竦んだ小動物になったかのような、己の小ささをその男を前に感じていた。
ただ危険だと、そう思った。
「その門を開けろ」
「なっ、ならん……ここは!」
「開けろと言っている」
「駄目だ、早くどこへと行け。早くせんと検非違使の役人を呼ぶぞ」

自分の務めを果たそうと必死になる門兵を前に、男は静かに怒りを鋭くした。
何も言葉はないものの、それは二人に鋭く向かってくる。
静止の言葉を無視し、男は真っ直ぐ門に向って歩いて行く。
「まっ、待て」
「どうするつもりだ」
震える声でそう叫ぶ二人は、遂に上げられた男の目を見た。

それは、絶対君主であるかのような鋭く何者にも屈しない強い目だった。

「頭が高い」
そう口にした男の手にはいつの間にか腰に差していた太刀が握られ、門兵の一人の首元にしっかりと突き付けられていた。
「ひぃ!」
「お前達のような下賤の者に用はない、開けろ」
有無を言わせぬ圧力によって、二人は大人しく門を開けた。
その後ろ姿を見つめ、二人は心の底から思っていた。
あれはきっと、人ではない。

「最近、陽泉にやって来た将はどこの者か分からないらしいわ」
軍議の中心で話をしているのは、なんと女だった。
髪を短く切った男勝りの勝気な目が印象的な女性。彼女こそ、この誠凛の軍師である相田リコだった。
現在、誠凛を任されている将の中でも、彼女が特に信頼し、遠慮もなく力を任せられる相手のみが集まっている。
言い換えてしまうと、ここの集まっているのは次の頭領、誠凛の若殿の従者ばかりである。
彼等の中で話題になっているのは、自分達の隣接する国に突如として現れた、ある将についてだった。
その男は一人でありながら、一軍にも匹敵する力を持つ。一騎当千というのは、まさしくこの男のためにあるのではないかと疑う程の力。
思わぬ強敵の出現に、ここしばらく、戦には負けてばかりであった。
そんな状態で、引け腰になった自分達の親達の世代を置いて、若い彼等はこの難局をどう乗り越えるべきか相談しているのだ。
「聞いた話しだと、戦場に突然ふらっとやって来たんだろう?」
そう尋ねるのはこの中で一番体躯の大きい男・木吉だった。
「つまりは流浪人か、どこかから出てきた若武者なんじゃないのか」
「それにしても、噂一つないのはおかしいだろ」
木吉と呼ばれた男に答えたのは、彼と共に誠凛を支える将であり、若に変わって軍勢を纏める日向だった。
「そうね、あれほどの実力を持つ若武者であれば、噂の一つくらいは出てるだろうし。そもそも、自分から士官しなくとも引く手はあったと思うわ」
リコの言葉に一同は頷く。
そんな中、控えめにそっと手を上げる者があった。
「どうしたの降旗君」
「あのですね、彼についてというか、最近こういう噂が流れてるんですけど」
降旗と呼ばれた青年は、おずおずと語り出した。

それは最近、各地に現れたという一騎当千と感じられる強い武士の話だった。
出自も来歴も不明だが、突如どこかの戦場にふらりと現れて、味方に付いた軍を必ず勝利に導くという。
一人によって戦局が変わる、それはトンデモない力だった。
それこそ、軍神の化身か鬼や物の怪の類ではないかと噂は絶えない。
誰がそう呼び始めたのは分からないが、そんな彼等を「キセキ」と呼ぶ者もいるそうだ。

「それが、そのキセキの兵は本当に人ではない……という噂がありまして」
「はあ?何だそりゃ」
「まあまあ日向、とにかく最後まで聞こう」
一瞬、あまりにも突拍子もない言い分にキレかけた友をいさめ、木吉は先を促す。
「鎧を着ていると分からないんですけど、実は額に隠れて小さな角が生えているらしいです。あと、矢で射ぬかれても倒れなかったり、刀で傷つけられても次の戦には参加していたりと。とにかく、彼等は人間ではないと」
「頭に角って事はさ、もしかして鬼だったりして?」
なんて呑気に言う青年に「小金井」といさめる日向、怒られて首をすくめる相手を、隣で見ていた寡黙な青年が慰めている。
「でもまあ、鬼と言われて納得できちゃうような実力ではあるわよね」
「まあなあ。じゃあ、次の戦には豆でも下げて行くか!」
良い案だと一人で笑顔になる木吉を置いて、全員がそこで溜息を吐く。
反応の悪さに木吉が周囲を見回して、ふとある事に気が付いた。
「ところで、何で今日は若がいないんだ?」
「あの馬鹿は、また軍議忘れてるんだろ」
「でも氷室もいないぞ」
氷室というのは、彼等の若の傅子であり若が兄と慕う青年であった。
話が二人に至り先ほどの降旗という青年が、酷く言い辛そうに「あのう」と声をあげた。
「実はあの話、まだ続きがあるんです……その、キセキ達はある山に棲んでた鬼だって言う人も居て。それで…………昨日、その話を若にしてしまいまして」
「…………まさかと思うが、あの馬鹿」
「もしかして、行ったの?」
「はい、氷室さんを連れて。今朝、早くに出て行きました」

その瞬間に、その場に居た全員の目の色が変わった。

「何でもっと早くに言わないの!」
「すみません!若から、絶対に止められるから言うな、って口止めされてしまいまして」
「そりゃ止めるに決まってんだろダァホ!」
「だってウチの若はあの、あの火神君よ!いくら氷室君と一緒とはいえ、彼が鬼の棲む山に登るなんて……」
ざわめく彼等は、それでもなんとか落ち着きを取り戻すと、さっさと出立の用意を始めた。
「いい、絶対に連れ戻してくるのよ!」
そんな軍師の号令を背に、彼等は出陣した。

「へっくしゅ」
「大丈夫かい大我」
「ああ、誰か噂でもしてんのかな?」
なんて言う相手を見て、誰が噂をしているのか予想できてしまった男は苦笑いを零す。

荒れた山道を二人の青年が歩いていた。
一人は背が高く鍛えられて逞しい体を持つ、赤毛で虎のような鋭い目を持つ青年だ。
もう一人は柔らかく貴族のような気品ある雰囲気を漂わせた、美青年だった。
一見すると武士が貴族の子の共をしているように見えるが、実際は違う、赤い青年の傅子が気品のある青年であり、二人は主従関係を越えて義兄弟の契りを交わした間柄だった。
「にしても、酷い山だよな辰也は大丈夫か?」
「このくらいで音を上げるくらい、軟じゃないよ」
そうは言うが、二人は朝から屋敷を抜け出して、馬でここまで三時間もかけてここまで走って来たのだ。そして、山の麓でしばし聞き込みをして、近くの農民に頼んで馬を預けて山に入った頃には、もう陽は真上を過ぎようとする時間になっていた。
時折、二人は休憩を挟んではいるものの、常人よりも遥かに早い速度で山の奥へと進んでいく。
目指しているのは、この山の奥地にあると言われている鬼の祠だった。

火神大我は、誠凛国の頭領が嫡男である。
乱世と呼ばれる現在、火神が継ぐ誠凛の隣国に最近噂になっている「キセキ」と呼ばれる兵が現れた。
巷では鬼だと噂される彼等、その真の正体を見極めるために火神は祠へと向かう決心を固めたのだったが……。

「なんというか……雰囲気、あり過ぎだろ」
「鬼の伝説が残る山だからね、やっぱり普通の山ではないと思うよ」
そう言う兄貴分に、悟られないようにビクリと体を震わせる。
体は大きく、戦場に立てば武勲を挙げる強き武士ではあるものの。火神はこれで、妖物や幽霊の類が苦手だ、それを知っているからこそ氷室も付いて来たのだ。
しかし、周囲の空気は勿論だが、どことなくこの山自体が人を入る事を嫌っているように氷室には感じられた。
もしかしたら、奥地に行く前に出た方が良いかもしれない。
そう思い始め自分の主に相談を持ちかけようとした時。
「大我?」
すぐ後ろを歩いていたはずの主は、忽然と姿を消していた。

気が付けば、周囲は濃密な霧に覆い隠されていた。

「あれ、辰也?」
そう声をかけてみるも、自分の兄貴分の姿はどこにも見えない。どうやら逸れてしまったらしい。それに気づいて火神は大きな体を小さくさせた。
やはり鬼の棲む山になど入るべきではなかったのか?
そう後悔してみても遅い。
折角ここまで来てみたものの、何も手がかりなく下りるのは癪に触る。しかし、こうも前が見えなくてはどこを歩いて良いかも分からない。とりあえず、生えている木に手を付き、一歩一歩確かめながら前に進んでいく。
すると、しばらくして急に視界の先が開けた場所に出た。
そこにはこんな山奥には似つかわしくない、巨大な岩で作られた祠があった。

「これは……」
「珍しいですね、ここに人が立ち入るなんて」
「うっ、うわぁあああ!」
急に隣から声が聞こえて慌てて飛び退く、すると目の前でゆらゆらと赤い火が燃えているのが見えた。
もしや、本物の幽霊かと思って後ずさると相手は「待って下さい」とやけに丁寧に声をかけた。
「もしも貴方がここに迷い込んでしまったなら、僕は貴方のお役に立てると思います」
「お役って、何なんだよお前?」
「僕ですか…………そうですね、黒子テツヤとでも呼んで下さい」
そう言う少年の声がゆらりと近づき、火の光によってその姿が浮かびあがった。
そこに立っていたのは、華奢な体つきの色の白い少年だった。やけに存在感がないので、思わず幽霊ではないかと疑ってしまう。霧のせいでもあるが、手にしている灯りが宙に浮いているように見えたくらいだ。
「黒子っていうのか?」
「はい、ところで君は誰ですか?」
「俺は火神大我っていうんだ。あの、それで黒子はここに住んでるのか?」
「はい、もう長い間ここに棲んでます」
とりあえず水でも飲みますか?と言うと、水の入った竹筒を渡した。火神はそれを受け取ってみたものの、どうしようかと迷う。見知らぬ相手から貰った物に口を付けて良いものか、しかし自分の隣に腰を下ろした少年の純真そうな目に心が苦しくなったため、怪しみつつも一口その中身を煽れば、心地よい冷たさのが喉を通っていった。
「美味いな」
「この裏の湧水です。ここは人が入りませんから、山のモノは全て清らかなんです」
そう答える少年に「そうか」と返事をして竹筒を返し「ありがとう」と笑顔で礼を言う。
そんな相手に少年はビックリしたように、少しだけ目を見開いた。
「ありがとう、なんて言われたの久しぶりです」
「そっか……お前、こんな所に一人で住んでるのか?」
「いえ、一人ではなかったんですけれど。ちょっと色々ありまして、仲間達は皆、外に出て行ってしまいました」
「ふーん。もうどれくらい住んでるんだ?」
「そうですね、一千年くらいでしょうか?」

返事を聞いて火神は思わず噴き出した。山に住む少年が寂しくて人をからかっている、と考えられなくもないが、そうではないと信じさせるだけの要素がこの場には揃っている。
ここは鬼が棲む山だ。
そうして、少年の仲間は山から出て行ったと言った。
つまりはこの少年は、もしかすれば……。

「お前、まさかキセキの仲間なのか?」
「僕の仲間を今の人達は、どうやらそう呼ぶみたいですね」
「じゃあ、お前は鬼なのか?」
それはもうハッキリと正面切って、火神は相手にそう尋ねた。恐いものは苦手なのだが、彼は白黒つけたい性格なのだ。
そうすると、目の前に居る少年は表情を変えずに「そうですね」と言った。
「きっと、僕達の事を人は「鬼」と呼ぶと思います」
そう言うと、黒子は自分の額にかかる前髪を少しかきあげた。そこには、ツンと尖った小さな角が二本、確かに生えていた。
それを見て、火神は思わず後ずさる。
「安心して下さい。僕は貴方をどうこうしようとは思いません」
「ほ、本当か?」
「はい……ここを出て行った彼等は知りませんけれど、僕は。できるならこの山で静かに暮らしていたいです」
しゅんと肩を落とす少年を見つめ、火神は彼が本当に害が無い存在ではないかと思い始めた。もし彼が言うように、ここで静かに暮らす事が望みならば、むしろ自分は勝手に分け入って来た邪魔者ではないかとまで思ったくらいだ。
「あの、悪かったな。邪魔して」
「いいえ、そもそもどうして君はここに来たんですか?鬼が出る、という噂のある山になんて」
そう尋ねられて、火神は先ほどのキセキを含めた話を聞かせた。
馬鹿だと自分達の家臣から常々言われているものの、なんとか内容が汲み取ってもらえるように伝えると、少年は「そうですか」と小さく呟いた。
「それは、間違いなく僕の仲間の事だと思います」
「そうか……なあ、もし嫌じゃなかったらその仲間の事、教えてくれないか?」
「彼等の事をですか?」
「ああ、あとお前の事も」
「僕の事も?」
不思議そうに首を傾げたものの、少年・黒子は「分かりました」と告げて話し始めた。

この島が、まだ国の形を成す前の事です。あちこちに小さな集落があり、それ等はやがて領地を巡り争うようになりました。
何度も戦が繰り返され、やがて大きな集落はそれぞれ国を名乗り始めました。そんな中、この島にある国を一つにまとめ、頂きに立とうと考える者が出てきました。
それが今の、中央の者達です。
彼等は一番力が強く、自分達こそが国の頂きに立つにふさわしいと考えていたようです。
しかし、その時代はまだ神代の力が各地に多く散らばり、中央一つで全てを敵に回すには、少し無理が過ぎました。
そこでその方々は考えました。
国造りの為に働く、強い兵を引き入れようと。

その時代に、五人の立派な戦士が居ました。

振るう剣は海おも切り裂き、射る矢は岩山おも砕き、力は山をも動かした、と言われている強い戦士達です。
そんな伝説を残した者達は、この国のために働きそして。

国に裏切られて、命を落としました。

戦士の持つ力は人知を超え。それは、神か魔物の域に達するものではないかと、常々から囁かれていたのです。
神であるならば、人は畏れます。
魔物であるならば、人は恐れます。
彼等の持つ力は、どちらにせよ、人の世のためにはならなかったんでしょう。
それに彼等が気付いたのは、後になってからだったのです。

数々の戦に勝利して、この国に「中央」という絶対権力が生まれた時。彼等は、あっさりと人でなしの烙印を押され、処刑されてしまいました。
中央は恐れていたのです。
自分達ではなく、彼等の方を人々は羨望の眼差しでもって見ていましたから。もしや、彼等が反乱したならば……あっさりと自分達は陥落するのではないか、と。根拠のない不安に負けてしまったようです。
権力を持つと、人は疑り深くなるものなんですね。
しかし、死を与えられた彼等の苦しみはそこから始まりました。

彼等を殺した理由は、彼等が人ではない「魔物」であったから。
その魂を救済しては中央の顔が立ちません。
しかし、ただ打ち捨てるのでは後々に祟られてはたまりません。
何せ神のような力を持つ戦士です、彼等の祟りは国を滅ぼす脅威になるでしょう。しかも、それは一人ではなく五人ですから。
極楽にも地獄にも行けず、輪廻の輪から外され現世を漂う彼等の魂は、人の世に祟らぬように巨大な山の神の力を借りて、奥の奥へ閉じ込められました。

彼等は嘆き悲しみ、また怒りを抱きました。
しかし、どんなに思ってみても心に苦しみだけが降り積もるだけです。
行き場のない感情だけが魂に積もり、死した体を浸蝕し、あの世とこの世の狭間を行きかう内に、彼等は鬼になりました。

鬼になった彼等の姿を見た者はいません、ただ姿は見えずとも、山に入って帰って来る者は一人もおらず、夜に響く慟哭に人々は震えていました。
この山は、鬼が棲む森と恐れられてきました。
一千年の間ずっと。

人々の記憶から、彼等が忘れ去られても……鬼が棲むという噂だけが、一人歩きしてきたのです。

そうしている間も、中央は国の頂きに君臨し続け、この地を自分達の物にしたようですね。
でも、彼等の権威なんてものは人の手を借りたまやかしのものにすぎません。
いつかこの国は散り散りに別れてしまうだろう、そう思っていました。
僕達はそれをここから眺めていたのです。

知っていますよ。

山の風、天からの雨、それらは全てこの魂と響きあっています。僕達は自然の力が、この体に入り込む事で鬼になりましたから。
風の便り、水の噂、この世を循環するそれらの力で僕は世の流れを聞いていました。
僕達がいなくなっても、人の世の根幹は変わるものではありません。
それだけは嫌という程に分かりました。

そんな人々を見ながら、仲間が何を思っていたのか、それは僕には分かりません。
たださきの大雨によって山崩れが起きた時。この山に通っていた地脈がそれで変わってしまいました。
山の神によって閉じ込められていた彼等は、力の流れが変わった事で、この結界から抜け出る事ができたのです。
そうして人里に下りて行ったのが、鬼です。
この山の、鬼です。
神世の時代を戦い、鬼と化した戦士達です。

人は、彼等を「キセキ」と呼ぶそうですね。

鬼籍の者、という意味でしょうか?
もしそれならば、間違ってはいませんよ。
彼等は死にません、当たり前ですよ死者ですから。残念ながら法力もあまり効果はないかもしれません。何せ輪廻から切られてしまいましたし。
封じ込めるにしても、簡単な法力でどうにかなるものではないと思いますよ。いくら人とはいえ、一千年もかけると神と等しい力を得るものです。
この日の本という地は、神の力が宿っていますから。
年月を重ねて滅びないものには、それだけの巨大な力が入り込んでいます。
彼等と戦うのは、危険です。
その身を滅ぼしかねません。

僕ですか?
僕は彼等とは違います。僕には優れた剣技も弓の力も、何もありません。
恐らく伝説どころか名前すら残っていないと思います。

僕は影です。

彼等を繋ぎ、支え、戦場の流れを変える者です。
この姿は闇に溶けます、戦場でもどこでも、僕の姿を捉える事は困難です。それゆえに、僕は彼等の影を一手に引き受けました。
敵の情報を秘密裏に探り、戦場では敵兵を中心から撹乱し、分裂させ、時には暗闇に乗じて首をはねました。

表に名前が残ってはいけないんです。
僕は、最初からここには居ないんです。
草葉の陰に潜み、その中に消えゆく者です。君が話しているのは、だから本物の幽霊です。歴史の中に消えた者です。
なので、僕は下界に戻りたくありません。そもそも、生きて居る間も人の世から切り離されていた人間だったので、ここで静かに過ごせるならそれ以上の幸福はありません。
影に溶けていたモノが、本物の影として沈黙するだけです。
事を荒立てないだけ、平和でしょう。
だから僕は、山から下りて何かしたいとは考えていません。

「これが、僕達の物語です」
そう言うと黒子は火神を見つめ「君は生きて下さい」と告げた。
「えっ……」
「君が生きるためには、彼等と戦う必要はありません。降服して、どこかで生き延びて下さい」
「んな事、できるわけないだろ!」
「そうするべきです、君のような人は、生き残るべきです」
そう言うと黒子は反論しようとする火神に「気付いてないようですが」と真っ直ぐ見つめて告げる。
「君はこの天地よろずのモノに好かれやすい性質を持っています、君が思うよりも君を好いているモノは多いはずです。それは人に限りません。この山だって、君を好んだからこそ、その願いを聞き入れてここまで君を連れて来たんでしょう。
そうでなければ、僕の結界を張ったこの祠になんて辿りつけるわけがありません。
君が死んで悲しむ人は多いです、その悲しみは結局、後で争いや悲劇を生むだけです。ならば、何をしてでも君は生き残るべきです」
「嫌だ。俺は俺の仲間を放ってアイツ等の願いを切り捨ててまで、生き延びたくはない」
強情にそう言う相手に、黒子は溜息を吐いた。
しばらく二人の間に沈黙が続いたが、その後で「なあ」と火神は黒子に声をかけた。
「お前って、ずっとそんなもの背負ってたんだよな?」
「ええ、僕達はどこにも行く場所なんてないですから」
「やっぱり、この世に恨みとかあるんだよな?」
「恨みなんですかね?分かりません……僕は平和になって、穏やかに暮らしたいだけです」
「ふーん、じゃあ俺がなんとかそれ叶えてやるよ」
「はい?」
「俺がお前の仲間倒して、そうしてこの国を平和にしてやる!そうしたら、お前もゆっくり暮らせるだろ」
それは無理だと黒子は言いそうになった、どう考えても相手が悪すぎる。
しかしその反面、どういうわけかこの男の言う事であれば信じてみたいと、そう感じられる何かが確かにあった。
「お前達が成仏できないのは、なんつーか、あれだ。未練があるからだって。きっと天下がお前達が望んでいたような平和な世になったら、その時はゆっくり眠れるって。そうなるように、俺が頑張ってやるから」
待っててくれよと言うと火神は立ちあがった。
それは、既に決意を固めたような顔だった。
そんな相手を見つめて、黒子はただただ驚いていた。

あんなにも、純粋に素直に、人の為を願って自分勝手に動く人を、見た事がなかった。

ああ、人はこんなにも美しかっただろうか?
自分が見て来たのは、もっと腹に色んなものをため込んだ、意地汚い人間ばかりだったというのに。
彼を、そんな者達に染めさせて良いのか?
いやそれは、駄目だろう。

「待って下さい」
そう言うと黒子は火神に真っ直ぐ向かい合った。
「僕のために、君に苦しい道を歩ませるわけにはいきません」
「お前のためじゃねえよ、俺だって俺の国とか国の民がいるわけだし」
「それでも、君のように純粋に人に尽くそうとする人は初めて見ました。僕は…………君とならば、共に歩きたいです」
そう言う黒子の目にも、先ほどの火神と同じような決意の色が浮かんでいた。
それは強い色彩と固い結び目によって、解ける事はないだろう事を予想させた。
「君を日本一の男にしましょう、火神大我君。
僕は影です。
そして……君こそが、僕の光です」

キセキの角考察 黒子……額の両端(眉尻の上くらい)に一本ずつ小さい角(髪かけるとほぼ隠れちゃう)が生えてる。
黄瀬……額の両端だけど、生え際くらいのちょい高めの位置にやっぱり二本小さい角が生えてる。
緑間……猫耳が生える位置にある、黒子・黄瀬よりちょっと角は長め(髪で隠れてるので見える長さは一緒)。
青峰……黄瀬と同じ位置にあるけど、長さはちょい長め(前髪では隠れないです)。
紫原……額の真ん中で生え際に近い高めの位置に一本だけ角生えてます。
赤司……むっくんと同じ位置です。

別に、角の数とか位置に細かい理由はありません。
ただこうだったらいいなあ、という妄想をしてただけです。
角は骨や歯と似た感じの質感の、白いやつがいいです。
小説のイメージは上みたいな感じで書いてますが、動物の角も捨てがたいです。

赤司様に山羊の角(サタンっぽいなんかデカいやつ)生やしたいです。
黒子は羊。
むっくんは一角獣。
青峰とかバッファローとか水牛とか、なんか牛の強そうな角とか似合いそうじゃないですか?
なんとなく緑間はガゼルとかのウネッた角。
黄瀬は……もう、鹿くらいしか思い浮かばないです。サイですか?モデルの顔の真ん中に?
でも動物角だと、どう考えても兜が装着できません。
そんな事を考えて、ちょっとだけ楽しい気分になって終了します。

あとがき
鬼の角生えたキセキーズ+黒子君や、鎧を着た黒バスメンバーを見たいだけです。見たいだけなんですよ。
2012年10月4日 pixivより再掲
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